【部活やろうぜ!】声優・西山宏太朗がバスケットボール部で得た呼吸と一体感が、声優の現場で生きる (2ページ目)
【コミュニティはひとつじゃなくていい】
――こうやってお話を伺っていると、西山さんにとって部活は単なる活動以上の存在だったように感じます。では、学生にとって、部活動にはどんな価値があると思いますか?
部活って、そこでしか味わえない役割や責任があると思うんです。クラスの教室とはまた違う関係性が生まれて、一緒に汗をかいて、同じ目標に向かっていく。その時間が積み重なることで、ただの友達とも少し違う、特別な絆ができるんですよね。
それと、ひとつの場所にとどまらず、できれば複数のコミュニティに触れてみてほしいなと思います。僕自身、バスケだけじゃなくて書道やアトリエにも通っていて、それぞれの空気の中で、違う自分でいられたことがすごく大きかったんです。
たくさんの場所に足を運ぶほど、「あ、自分はこういうことが好きなんだ」「こういう環境が心地いいんだ」っていう小さな発見が増えていく。そういう積み重ねが将来の選択肢を広げてくれる気がしますし、自分の軸にもなっていくと思います。部活って、そういう出会いのきっかけをくれる場所なんですよね。
――形にこだわらず、興味が湧いたらまず動いてみる。そして、またやりたくなったら自然と戻る。そういうスタイルが、いまの仕事にもつながっている気がしますね。
"新陳代謝"がいいんですよ(笑)。でも、続けなきゃいけないって決めて苦しくなるより、気持ちが動いたときにちゃんと踏み出せる方が、自分には合ってるんだと思います。英語も、いまはアプリやチャットで勉強していて、続いてくれていたらラッキーくらいの気持ちです。やめても、またやりたくなったら戻ればいい。それくらいの柔らかさでいいと思うんですよね。
――そんな西山さんが、"いまやるならこれだ"と思うスポーツは?
やっぱりバスケですね。また体育館に行って、友だちと汗かいて、キャイキャイやりたいです。実はちょっと前に急にバスケがしたくなって、バスケットボールを買ったんですよ。で、そのままお店からドリブルしながら帰りました(笑)。
テニスは......軽井沢でやるのが夢です(笑)。めっちゃミーハーですよね。でも、そういう理想のシチュエーションごと楽しみたいタイプで。道具を揃えるところからワクワクしたくなるんです。
――最後に、部活を迷っている学生や何かを始めようと思っている人にメッセージをお願いします。
やってみて、合わなければやめていいと思う。でも、まずは一歩踏み出してみてほしいです。誰かと同じ目的で集まって、汗を流したり、なにかを一緒に積み上げたりする時間って、大人になると意識しないと作れないんですよね。
自分もまた、部活をやりたいなって思うくらい、あの時間は特別だったので。仲間と出会える場所を、自分のためにつくってあげてほしいです。
●Profile
西山宏太朗(にしやま・こうたろう)/10月11日生まれ、神奈川県出身。
2009年に行なわれた第3回81オーディション特別賞を受賞し、2011年より81プロデュース所属となる。デビュー以降数々の作品に出演し、2018年には第12回声優アワードにて新人男優賞を受賞する。声優として活躍するなか、2020年秋頃にミニアルバム「CITY」にてアーティストデビュー。
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