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【部活やろうぜ!】人気声優・西山宏太朗が語る、中学バスケ部で育った"楽しむ力" 「練習は誰より好きだった」 (2ページ目)

  • 山本真由●取材・文 text by Yamamoto Mayu
  • まくらあさみ●撮影 photo by Makura Asami

【初めて掴んだ"勝利の余韻"】

――練習したことで勝てた試合の記憶は鮮烈ですか。

 そうですね。弱小と言われ続けていたなかで掴んだ一勝。ベンチもコートも同じ喜びで揺れる瞬間があるんですよね。女子バスケ部は強かったので、いつも比べられて悔しい思いをしていましたが、その日だけは全員が同じ方向を向いていて「やったね!」って喜びを分かち合いました。あの光景はいまだに胸に残っています。

――ちなみに、当時憧れていた選手はいましたか?

 ちょうど田臥勇太選手がNBAへ挑戦された時期で、ニュースで追っていました。あまり日本でバスケが取り上げられることがない時代だったので、日本人が世界に挑戦する姿に、漠然と夢を感じていましたね。

――日本人選手の挑戦に胸が熱くなる一方で、ご自身の部活ではどんな時間がいちばん印象に残っていますか?

 とにかく、みんなでワイワイやる時間が好きでした。休み時間の延長みたいな空気で、キャイキャイ言いながらボールを回している瞬間がいちばん楽しくて。勝ち負けの緊張感より、純粋に「仲間と一緒にいるのがうれしい」という感覚が強かったですね。練習が一日のご褒美でした。

――いまのテニス仲間との空気感にも通じますね。

 そうですね。知らない人とガチで勝負するより、気心が知れた仲間と練習する時間が本当に好きなんです。うまくなりたいし努力もするけど、楽しさが中心にあるほうが自分らしい。中学の頃からその感覚は変わっていません。

――その「仲間と一緒に楽しむ」という感覚は、他の部活に入っていても芽生えていたと思いますか? もしバスケ部に入っていなかったとしたら、どんな部活を選んでいたと思いますか?

 うーん......。正直、当時はほぼ一択でバスケだったんですけど、もし入っていなかったら、どこでしょうね。男子が入れる部活が限られていたので、卓球とか野球とかになっていたかもしれないですし、仲のいい友達が吹奏楽部にいたので、その流れで吹奏楽に入部していた可能性もあります。

 あと、もし学校に男子バドミントン部があったら、そこに入っていたと思います。なかったんですよ、男子バドミントン。いま思うと、絶対楽しいだろうなって(笑)。結局、仲間と一緒にキャイキャイできる場所を選んでいた気がしますね。

(後編につづく)

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●Profile
西山宏太朗(にしやま・こうたろう)/10月11日生まれ、神奈川県出身。
2009年に行なわれた第3回81オーディション特別賞を受賞し、2011年より81プロデュース所属となる。デビュー以降数々の作品に出演し、2018年には第12回声優アワードにて新人男優賞を受賞する。声優として活躍するなか、2020年秋頃にミニアルバム「CITY」にてアーティストデビュー。

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