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EASL取材メディアから注目されるBリーグ発展と河村勇輝の存在「ハートの大切さを教えてくれた」 (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【人気の高い河村勇輝】

 フィリピンで著名なコラムニストで今回のEASLファイナル4では英語放送のコメンテイターも担ったホアキン・ヘンソン氏は、昨年度のファイナル4は千葉ジェッツが富樫勇樹をはじめとする「個人の力量」を基に優勝を果たしたのに対し、今回の広島が「チーム力」を前面に出して頂点に立ったことに、また別の感慨を憶えている様子だった。

 サカモス氏と同様、ヘンソン氏もBリーグをレベルの高いリーグだとしており、「フィリピンの最良の選手たちがBリーグでプレーをし、その他多くがBリーグでプレーをしたがっているのにも合点がいく」と語った。

 30年以上のバスケットボール取材歴があるというヘンソン氏は、阿部成章氏(元日本鉱業)や谷口正朋氏(元日本鋼管、故人)、岡山恭崇氏(元住友金属)ら往年の名選手の名前を出しながら、「日本には元から優れた選手たちがいて、彼らが礎を築いていた」とし、ゆえにBリーグの発展にも驚かないとほほえんだ。

 ヘンソン氏は言う。

「日本はアジアだけでなく、世界的にも誇ることができるようなすばらしいバスケットボールを展開しています」

 こうした他国のメディア関係者に日本のバスケットボールの印象について取材をしていると、彼らは軒並み河村勇輝(NBAメンフィス・グリズリーズ、2ウェイ契約)の名前を出してくる。

 香港で「852sportsentertainment」というサイトのメイン編集者として活動するトーマス・クウォック氏は、「河村が香港でもっとも認知度のある選手だ」と話した。彼は河村の人気の理由をこう述べてくれた。

「河村勇輝という選手は、身長の高さよりもハートこそが大切なのだということを見せてくれています。身長がないことは、バスケットボールをプレーすることに対しての情熱があれば問題ではないのです」

 今シーズンから香港出身のオリバー・シュウが、B3岩手ビッグブルズでプレーをしていることで日本のバスケットボールへの関心を高めているというクウォック氏は、Bリーグが今後さらなる発展を遂げていくと考えており、世界でも「最高のリーグのひとつ」となり「アジアの代表格になるはずだ」と評した。

 河村に関しては、韓国KBSのバスケットボールコメンテーター孫大範氏が、Bリーグを経てNBAに挑戦している点で興味深い考察をしている。同氏は、田臥勇太(宇都宮)などこれまでNBAのドアを叩く日本人はいたため、河村がそれに続いていること自体に驚きはないというが、「日本協会なども含めたバスケットボール界全体が、アメリカでの彼の夢の実現のあと押しをしている点がこれまでにないことだ」と話した。

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