EASLで日本勢が2年連続東アジアの頂点に 韓国人記者は「もはや日本と韓国は同じレベルで語ることはできない」 (3ページ目)
【Bリーグにある大きな志】
中国出身の趙環宇氏は、中国女子リーグ・WCBAのチームの元重役で、現在は「我愛女藍(I Love Women's Basketball)」というサイトを運営している。中国人選手がいるという理由からBリーグに関心を抱き始めた趙氏。それでもまだ知っているチームは数えるほどだというが、同リーグのビジネス面での伸長には大きな関心を寄せているようだった。
「Bリーグには大きな志があると思います。彼らは国外にもリーグの存在を認知してもらいたいと精力的ですし、実際、海外のいくつかの国・地域に放送権を販売していると聞きました。自分たちのできる枠に留まらずに、さまざまなことに取り組んでいこうとする姿勢には感心させられます」
EASLには現状、中国・CBAのチームは参加していない。同リーグは長年、アジアでは最も競技レベルの高いリーグと認識されてきた。趙氏は「もしCBAのチームがEASLに参戦すれば優勝をする可能性が高いだろう」という言葉を、矜持とともに述べた。
それでも彼は、プロリーグとしての成長が留まることのないBリーグについて「とても注目している」と話す。
「Bリーグのいくつかのチームは大きな収益を上げていますよね。彼らはバスケットボールで稼ぐことができている。このことはCBAとは大きく異なっています。CBAの大半のチームはバスケットボールでお金を稼いでいるとは言いがたい。その点、Bリーグは純粋なプロフェッショナルなリーグだと言えます。Bリーグのチームはバスケットボールで稼ぎ、そしてそれを還元する形でファンに喜んでもらっています」
中国の人たちは「国外のことを気にかけていない」と言う趙氏。彼自身は、自国がEASLに参戦していないにもかかわらず、開催地のマカオに来ていたのは「異なる文化やバスケットボール環境に触れるため」で「EASLには自分の『バリア』を破る機会を与えてもらい感謝している」と語った。その言葉尻からすると、自国のファンに対して多少残念に感じている様子だった。
「BリーグはCBAよりも世界でより大きな影響力を持っていると思います。彼らが多くの注目を集めていることがその証左です。Bリーグには台湾での公式ファンページがありますし、英語のページもあります」
趙氏は、今回のファイナル4に出場している琉球ゴールデンキングスを例に挙げた。
「(ファイナル4)準決勝の琉球と桃園の試合を見ましたが、琉球がいかに強固なファンベースを有しているかが伝わってきました。彼らはとても組織だっていて、同じ応援文句を口にし、同じジェスチャーで応援をしていて整然としていました。それがとても印象的でした」
著者プロフィール
永塚和志 (ながつか・かずし)
スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。
Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、 2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。 他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験 もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社) があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・ 篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社) 等の取材構成にも関わっている。
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