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バスケ女子日本代表ゲインズHCの指導の基軸 「いいコミュニケーター」であるためにすべきこと (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【コーチとしてやるべきこと】

── やはりベテランはチームに欠かせないでしょうか。

「ベテランの存在は必要です。ベテランは若手たちに教えることができるので、私はいろんな年齢の選手がチームにいることが望ましいと思っています。年長の選手はいつかチームを去り、そして新たな若い選手が入ってきます。それも自然な新陳代謝です。

 すでに、ユニバーシアードへ向けたU22世代の女子代表候補合宿にも視察に行っています。日々練習に顔を出し、コーチ陣のミーティングに参加し、練習試合にも行きました。今後もアンダーカテゴリーと連携を取っていくつもりです」

── U22の選手たちを見ていて、日本女子の潜在能力についてどう感じていますか?

「今回U22を見に行った時は、数人のトップ選手がケガをしていました。ですが、それでも優れた才能を感じさせる選手たちを確認できました。

 ユナイテッドカップ(Wリーグが今年から始めたカップ大会)にも視察へ行きました。(馬瓜)ステファニー、(馬瓜)エブリン、キキ(林咲希)、アース(宮澤夕貴)......代表でも活躍するベテランたちに会いましたが、U22の合宿に参加していない才能のある若手たちがいることにも気づきました。名前は挙げませんが19歳なのにすばらしい選手がいて、驚きましたよ」

── 若手の才能を伸ばすことも、女子日本代表の強化として大事ですよね。

「男子日本代表での例を出します。今はみなさんの多くが吉井裕鷹(三遠ネオフェニックス)の存在を知っていますよね。だけど、彼が代表に招集され始めたころは、『吉井って誰?』という感じだったはずです。なにせ、Bリーグでもほとんどプレーをしていなかったのですから。

 結果、彼は代表でプレーを続けることで自信を深めていきました。それこそが『コーチとしてやるべきこと』です。選手たちの自信を削ぐことは簡単です。しかしそうではなく、コーチは自信を与えなければいけません。それこそがコーチングだと思っています」

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