八村塁がレイカーズで主力へと成長した理由「やっと自分らしくできるチームに行けた」 (2ページ目)
「NBAの生活に慣れてきていると思います。今季は70試合近くプレーできていますが(最終的に自己最多の68試合に出場)、それは5年目でやっとできてきたこと。どれだけ大変かは、見ている人にはあまりわからないかもしれないですけど、ロードゲーム、ケガ、シーズンの長さ、メンタルもどれだけ大事かということがわかってきています。そのなかでもハイレベルでできていると思うので、それはいいことだと思います」
八村が快適にシーズンを過ごしていることは、周囲からも見て取れた。数年前のように露骨にメディアを避けることはなく、コート上でも頻繁に天真爛漫な笑顔を見せるようになった。NBAキャリアでもベストと思えるパフォーマンスは、精神的な安定からもたらされたものでもあったのだろう。
【「自分が自分らしくできるチームに行けた」】
特に、4月3日にワシントンDCで行なわれたウィザーズとの試合で、八村が見せた活躍は印象的だった。
2019年のドラフト1巡目全体9位で指名され、3年半を過ごした古巣のチームから、リーグ最大級の名門チームであるレイカーズに移籍した電撃トレードからもう1年以上が経つ。試合開始前のイントロダクションでは「Thank You Rui」というメッセージつきで紹介されてウィザーズのファンから大歓声を浴び、その後のゲームでものびのびプレーした。
「トレードされてからずっと(ワシントンに)帰ってきていなかったので、今日は楽しみにしていました。レブロンほどとはいかなかったですけど(笑)、それなりに声援をもらえたと思うのでよかったです。いざ戻ってくると、いろんないい思い出が頭をよぎりましたし、恋しい感じにはなりましたね」
19得点、7リバウンドと好成績を残して勝利に貢献し、試合後の言葉も滑らかだった。ウィザーズ時代からの、自身の成長をあらためて実感できただろう。この日、ウィザーズでの八村をよく知る地元メディア関係者も、正直な感想を述べていた。
「レブロン、デイビスというふたりのスーパースターから学び、ルイがたくましく成長しているのを感じるよ。ルイがいた頃のウィザーズは、ヘッドコーチ(ウェス・アンセルドJr.)が決して上質ではなく、(エースだった)ブラッドリー・ビールは、いい選手ではあっても優れたリーダーではなかった。
また、同じポジションには実績あるカイル・クーズマもいて、やはりドラフト1巡目で指名されたデニ・アブディヤとプレー時間をシェアしなければいけなかった。総合的に見て、ルイの力が引き出される環境ではなかったと思う」
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