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渡邊雄太の「言い訳はしない」責任感 ギャンブルに勝てずバスケW杯黒星スタート (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

【渡邊は20得点を奪ったが...】

 チームが開催地の沖縄入りしたあとの練習後、渡邉はペースを速くしながら3Pを多く打ち、それが決まるか決まらないかで成否が異なるチームのスタイルを「悪い言い方をすればギャンブルみたいなバスケット」で、それがハマれば「どのチームにでも勝てる」と話していた。

 その言葉を借りれば、渡邉はギャンブルに勝てなかったということになる。当人もそれを自覚し、ドイツ戦後、このように弁を述べている。

「決めきれなかったのは自分の責任。決めていればもっと展開が変わっていたと思います」

 3Pを高確率で決められなかったのは渡邉だけではない。日本は、強化試合からなかなか目標とする「40%付近」にまで確率を上げられず苦戦を強いられたところがあったが、そこが改善されれば状況は好転するはずだと、ホーバスHCや選手らは努めて顔を上げていた。

 しかしこの日の日本は、3Pの試投数こそ35本と基準とする数字をクリアしてはいたものの、難しい状況で打ったものも多く、かつドイツディフェンスの寄せの早さもあって、沈めたのはわずかに6本にとどまった。

 確率にすれば17.1%。とうてい「ギャンブルに勝つ」ものにはならなかった。

 だが、それはあくまで3Pに限った話だ。渡邉はドライブインからの得点やアリウープでダンクを叩き込むなど、熱量の高いプレーを続け、チームトップの20得点を挙げた。

 4年前のワールドカップでは大敗を喫したあとに「日本代表として恥」だと述べ、2021年の東京オリンピックでも全敗で大会を終えた直後にはタオルを頭に被い、うなだれる場面があった。そして今大会前には、もしチームを来年のパリオリンピックへ連れていくことができなければ代表のユニフォームを脱ぐ意向を示した。

 それくらい渡邉は、いつも代表への思いあふれ、日の丸を背負うことの重さを感じながらコートに立ってきた。チームとして勝つことは十全に理解しているが、NBAでこれまで5シーズンプレーをするなど必然的に日本をリードしなければならない立場にあるなかで、その使命感を全面に出してプレーをしてきた。

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