八村塁の穴は誰が埋めるのか? バスケ日本代表がワールドカップで勝つために不可欠なピース (5ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

【渡邊と馬場もポジション変更】

 昨年7月のアジアカップ後、ホーバスHCは課題だった井上のディフェンスが大会を通じて向上したことを喜んでいた。しかしながら、井上に求められるのはやはりクイックに打てる3Pで、同指揮官もその才能を特別視している。井上はワールドカップ・アジア予選デビュー2戦目から3試合連続で3Pを3本以上決め、アジアカップでは3Pの確率を50%で終えている。

 しかし昨夏以降、序盤からいきなり3Pを決める試合が少なくなっている。ホーバスHCも「もうちょっとシュートを決めないといけない」とコメントしていた。

 八村の辞退による変化について、井上は「インサイドがどういう編成になるか、トムさんの頭の中は僕もわからない」とするも、変わらず自身のやるべきことに集中していくと話した。ただ、ワールドカップ本番を1カ月半後に控える重圧が、井上のなかで大きくなっているのではないだろか。

 ホーバスHCは「八村の辞退でもやるべきことは変わらない」と口にするものの、影響が皆無ということはない。八村が収まるはずだったPFには当初SFの予定だった渡邊雄太(フェニックス・サンズ)が入り、SFにはSGが主の馬場雄大(テキサス・レジェンズ)がスライドする方向性を述べている。

 SFでプレーする場合、馬場は「SGのシューターに気持ちよく打ってもらうため、パスの配球などを増やしていく必要がある」と、そのポジションでのプレーも想定している。

 また、C/PFのホーキンソンは208cmの長身ながら3Pやパスにも秀でる万能選手だが、八村抜きの代表ではディフェンス時によりインサイドでのプレーが多くなると考えている。

「僕はブロックショットにも自信を持っていますし、僕が中にいることで相手の選手がレイアップに来にくくなります。となれば、アウトサイドの選手たちもより激しくディフェンスができますよね」(ホーキンソン)

5 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る