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渡邊雄太×ホーバスHCの化学反応はいかに。アジアカップを「経験を積む場」にするつもりはない (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by (C)JBA

渡邊を生かすプレーとは?

 ホーバスHCによれば、渡邊はアジアカップでは本来のスモールフォワードではなく、パワーフォワードでの出場になるとのことだ。

 日本を率いるホーバスHCは、オフェンスでは全5選手がスリーポイント(3P)ライン近辺に位置取る「ファイブアウト」を採用し、ディフェンスは速さとしつこさを生かした激しさを求め、サイズの小ささを補うスタイルを追求している。これは、206cmの長身ながらアメリカで3Pなどアウトサイドでのプレーを磨いてきた渡邊に合うものとなるのではないか。

 小さくてもスピードを生かしてシュートをクリエイトするホーバスHCについて、渡邊も「そういうプレーはすごく好き」とし、「彼のバスケにアジャストするのに時間はかからない」と自信を見せる。

 やや話が横道に逸れるが、アジアカップに臨む日本の12名のうち、渡邊、西田優大(シーホース三河)、富永啓生(ネブラスカ大)はいずれも左利きだ。左利き選手には相手が少し守りにくくなる優位性があると言われており、ホーバスHCも彼らが相手に「ダメージを与えられる」と期待を寄せる。

 また、今年10月で28歳になる渡邊は豊富な経験を生かして、プレー面だけでなく精神的な支柱としてもチームを牽引する心づもりだ。

 7月初旬のオーストラリア戦での大敗など結果の出ていない日本だが、経験の少ない若手も多い今の代表に多くを求めるのは酷だ。自身も若い頃は同じような苦い体験をしているとしながら、ベテランとなった今は自分が若い選手を導いてあげたいと、力強く語った。

「これからの選手が多いなかで、彼らを自分がリーダーとして引っ張っていくっていうのが役割だと思っています。今回『はじめまして』の選手が半分以上いて、そういった選手のこととかプレーを今、僕も学んでいる状態なのですが、アジアカップや今後の代表で、僕がリーダーになって経験や学んできたことをしっかり伝えていければと思っています」

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