渡邊雄太「いろいろ弱音を吐いた」。波乱万丈の4シーズン目で知ったNBAの厳しさ (2ページ目)
本契約選手のプレッシャー
しかし、1月頭に新型コロナウイルスに感染して離脱したところから流れが一変した。復帰直後に出た試合でうまくリズムに乗れず、期待されるプレーができなかった。うまくできなかったことで出場時間が減り、短い時間で結果を出さなくてはとプレッシャーも感じた。その後は出番がなく、試合が終わることも増えていき、精神的に厳しい時期を送った。
シーズン後、渡邊はその頃のことについて、こう明かしている。
「そもそも、あまり僕は弱音を吐かないんですけれど、今年に関しては、友人にけっこういろいろと弱音を吐きました」
昨シーズン終盤にツーウェイ契約から本契約選手になったことで、それまで以上のプレッシャーを感じるようになったことも影響していた。
「求められていることはもちろん、去年に比べて今年は高くなっていますし、試合に出てある程度の結果を残すと、次はこれができて当たり前っていうふうになる。次はもっとステップアップしてもらわなきゃいけないっていうふうにチームとして思うのは当然のこと。
(シュート)1本1本に対するプレッシャーももちろんかかりますし、特にローテーションから外れだした時期は、短い時間で何かインパクトを残さないと、3分とか4分ですぐに交代させられてしまうこともあったんで、そこに対するプレッシャーは正直あった。ただ、それを乗り越えていかないと、そこで決めきれないと、そこで結果を出さないとやっていけいない世界ではあるんで」
NBAはそれだけ高いレベルのことを求められる世界。それは入ったときからわかっていたことだった。
そう言ったあとで、渡邊はさらにこう続けた。
「でも(12月に)試合に出ている時には、それをできるだけの力があるという証明は絶対にできたと思う」
本契約、そしてローテーション入りと、目標を達成したことで得た自信と、そのことで感じるプレッシャー。それはどちらも、高いレベルを目指すからこそ経験することだ。
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