川崎ブレイブサンダース・篠山竜青が理想とする『SLAM DUNK』のPGは?「湘北対山王戦直前のあのセリフが好き」 (4ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro

『SLAM DUNK』を読むとバスケが好きという気持ちを再認識できると語った篠山竜青(C)KBT『SLAM DUNK』を読むとバスケが好きという気持ちを再認識できると語った篠山竜青(C)KBT――篠山選手は所属する川崎だけでなく日本代表でもキャプテンを務めていましたが、『SLAM DUNK』に登場するキャプテンでは誰に似たキャプテンだと自身のことを思いますか?

「誰に近いですかねえ!? わかんないですけど、多分、湘北は新チームになってリョーちんが新キャプテンをやるじゃないですか。彼は赤木キャプテンの残像を追うのではなく、自分らしいキャプテンをやると思うんです。だから、僕が誰に似ているかという質問からはずれてしまうかもしれませんが、リョーちんが僕みたいなキャプテンになっていくのかなって少し思いますね」

――篠山選手はキャプテンとして心がけていることは何かありますか?

「そもそもの話でいうと、東芝(現・川崎)で最初にキャプテンに選ばれた時は素直に嫌だったんです(笑)。東芝に入った時、チームはどちらかというと、大人しいイメージがありました。チーム一丸になって盛り上がる勢いのあるチームに変えたいなと、1年目からしゃしゃり出てムードメーカーのようなことをやり始めたんです。それが3年目に急にリーダーに指名され、まだちょっと早いなというのが当時の正直な感想でした。

 ただ、キャプテンになったとはいえ、やっぱりゴリみたいにグイグイ引っ張っていくようなタイプではない。自分の性格的にゴリのスタイルは合っていないというのはわかっていたので、自分に合ったキャプテンをやっていかないとなって思ったんです。

 だから、最初は戸惑いもありましたけど、キャプテンだからといってすべてを自分でやろうとするんじゃなく、周囲に協力を求めながらやっていけばいいって思えるようになってからは楽になりましたね」

――最後に、『SLAM DUNK』は篠山選手にとってどんな存在ですか?

「なんですかねえ。いまだに悩んだ時に読み返すこともあれば、何気なく手にとった時にあらためて気づかされたりすることもあります。最近だと、チャンピオンシップが始まる前日に最終巻を読んだんです。『SLAM DUNK』に出てくる選手は、どの選手も純粋にバスケットを楽しんでいるというか。楽しみながらバスケに打ち込んでいる。原点に帰るじゃないですけど、読んでいて自分はバスケットボールが好きなんだということを再確認させてもらえる。支えてもらったり、気づかされたり、大切なことを思い出させてくれたりする存在というか......、すみません、一言では言い表せないです(笑)」

Profile
篠山竜青(しのやま・りゅうせい)
1988年7月20日生まれ。神奈川県出身。PG(ポイントガード)
明るい性格で、キャプテンとしてチームを牽引している。その人柄を買われ、日本代表でもキャプテンを務め、2019年のW杯では精神面でもチームに大きく貢献した。大学卒業後の2011年に東芝ブレイブサンダースに入団して以降、変わらず川崎ブレイブサンダース一筋で活躍している。

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