千葉ジェッツ富樫勇樹が『SLAM DUNK』の名シーンに鳥肌。「安西先生の言葉が現実で起きたよう」

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro

――では、安西先生の「あきらめたら そこで試合終了ですよ...?」のように、富樫選手も監督に言われて忘れられないアドバイスはありますか?

「いろいろあるんですが、秋田時代、中村和雄HCに『点数のとれないチビはただのチビ』と言われたことは忘れられませんね。もちろん、小さい選手でもいろんなタイプの選手がいていいと思うので、誰にでも当てはまる言葉ではないと思うんです。ただ僕が目指す、なりたい選手像がまさにその言葉によって出来上がったと思っています」

――マンガでは湘北が様々なピンチを乗り越えます。富樫選手に憧れる選手たちに、富樫流のピンチの乗り越え方を教えてください。

「正直に言うと、そもそも僕は楽観主義なんで、あんまりピンチって感じたことがないんです(笑)。どうしても選ぶとしたら、Bリーグ開幕前年、千葉に来た1年目。サマーリーグ、Dリーグ、イタリアのプレシーズンでプレーし、開幕の2週間前にチームに合流したこともあり、なかなか出場機会が得られず、自分自身納得できないシーズンを過ごしました。

 もちろん不安を乗り越えるために練習は大事です。でも僕はHCや指導者とトコトン話し合い、どういうシステム、どういう考えを持っているのかを共有することも同じくらい大事だと思います。この時に新たに就任した大野(篤史)HCとトコトン話し合って、HCの目指すスタイルについて理解したことで、新シーズンはプレータイムも伸び、納得できるシーズンを送ることができたんです」

――なるほど。

「湘北には安西監督、海南の高頭(力)監督、山王の堂本(五郎)監督、それぞれ考え方、目指すスタイルが違います。よく学生時代はシュートが得意だった選手がプロになって、試合でシュートを打つ本数が減って、気づいたらよかった頃の感覚でシュートを打てなくなってしまっているということを聞きます。

 自分のストロングポイントはどこにあるのか、それが活かせるチームはどこかと選ぶことも大事なことだと思います。もちろん学生の選手は在学中、自分でチームや監督を選べるわけではありません。ただ、監督が何を求めているか、どんなバスケをしようと考えているかを理解することは、技術の向上と同じくらい大事なことだと思います」

――では、最後に『SLAM DUNK』で一番好きな選手を教えてください。

「なんだかんだ桜木が1番好きです。ポジションから何から全然違うのですが、常にまっすぐで全力な感じの人間性に惹かれますね」

Profile
富樫勇樹(とがし・ゆうき)
1993年7月30日生まれ。新潟県出身。身長167cm
中学卒業後、アメリカのモントローズ・クリスチャン高校に留学。帰国後の2012−2013シーズンに秋田ノーザンハピネッツ(bjリーグ)に入団。2シーズンに渡って活躍した。2014年には再びアメリカに渡り、NBADL(現在はDリーグ)のテキサスレジェンズでプレー。そして2015年からは千葉ジェッツふなばしに入団し、現在も中心選手として活躍している。

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