千葉ジェッツ富樫勇樹が『SLAM DUNK』の名シーンに鳥肌。「安西先生の言葉が現実で起きたよう」

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro

Bリーガーが語る『SLAM DUNK』愛 
第1回:富樫勇樹(千葉ジェッツふなばし)

 今年1月に映画化が発表された『SLAM DUNK』。1990年から96年まで週刊少年ジャンプで連載され、今もなお絶大な人気を誇るマンガだ。映画公開日はまだ発表されていないが、映画化決定を記念してバスケットボールと作品を愛する男たち、Bリーガーにあらためて『SLAM DUNK』について語ってもらった。

 第1回目はPG(ポイントガード)として活躍し、今シーズンBリーグ初優勝を果たした千葉ジェッツふなばしの富樫勇樹選手。

Ⓒ井上雄彦 I.T.Planning,Inc.Ⓒ井上雄彦 I.T.Planning,Inc.――『SLAM DUNK』を最初に読んだのはいつですか?

「けっこう遅いんです。小中学生の頃はマンガ自体読んだことがなくて、高校もアメリカだったので。初めて『SLAM DUNK』を手に取ったのはアメリカから帰国後、19歳の頃ですね。2012--13シーズンに秋田ノーザンハピネッツ(bjリーグ)に入団してプロになってからです。もちろん、それ以前から『SLAM DUNK』の存在は知っていました。

 僕は小さい頃から大きい選手にブロックされないためにフローターシュートを使っていたんですが、まだ日本では呼び方が決まっていなかった記憶があります。中学時代に取材を受けた際に、記者さんに「『SLAM DUNK』の沢北(栄治)がやった"ヘナチョコシュート"のような打ち方はいつからやっているんですか?」って質問されたのを覚えています。友達に沢北のシュートシーンを見せてもらって、確かに自分のシュートと一緒だなと思った記憶がありますね」

――19歳で初めて全巻読むことになったきっかけは?

「秋田ノーザンハピネッツ時代、当時はバス移動がめちゃめちゃ多かったんです。チームメイトが全巻車内に持ち込んで、行き帰りにみんなで回し読みをしていました。『SLAM DUNK』に限らず、僕はマンガ自体読んだことがなくて、チームメイトに勧められ読み始めたんですけど思いがけずハマって、自分でもビックリしましたね。マンガって楽しいって」

――『SLAM DUNK』のどんな部分にハマったのでしょう?

「ストーリー性はもちろん、バスケという自分が今までやってきた競技を描いているので、すごく入っていきやすかったんだと思います。その後、違うバスケマンガもいくつか読んだんですが、『SLAM DUNK』はリアルに近いというか、現実で起こりそうなことがメインだったので、そこも僕にとっては感情移入しやすかったのかなって思います」

――その後、読み直したことなどはありますか?

「実は、今年になって、ふと『SLAM DUNK』を手元に置いておきたくなって全巻買ったんです。夢の"マンガの全巻大人買い"をしました(笑)。19歳の時に初めて読んだことを思い出して懐かしく感じながら、山王戦だったり気になるエピソードだったりを読みましたね」

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