千葉ジェッツ富樫勇樹が『SLAM DUNK』の名シーンに鳥肌。「安西先生の言葉が現実で起きたよう」 (3ページ目)
――富樫選手が似ていると言われる選手はいますか?
「やっぱり宮城リョータって言われることは多いですね。見た目が似ているわけじゃないですけど、ポジションが一緒で、身長もほぼ一緒なので」
意外にも大人になってからスラムダンクを読んだという富樫勇樹選手©CHIBAJETS FUNABASHI/PHOTO:Atsushi Sasaki――宮城が168cm、富樫選手が167cmですね。もし富樫選手が宮城で湘北のPGだったとしたら、どんなゲームメイクをしますか?
「とにかくひたすら流川にボールを回すかな(笑)」
――『SLAM DUNK』では「バスケットの国アメリカのその空気を吸うだけで 僕は高く跳べると思っていたのかなぁ...」という谷沢のセリフが出てきます。実際にアメリカでプレーした経験を持つ富樫選手は、このセリフをどう感じますか?
「以前、井上(雄彦)先生と対談させてもらった時も、このセリフのように、アメリカに行ったからうまくなるわけじゃないということを話しました。約10年前、僕がアメリカに渡った時よりも、今は日本人がアメリカでプレーするためのルートが増えました。すばらしいことだと思います。ただ、行くだけではうまくならない。もしかしたらアメリカへ行くよりも、日本でプレーを続け、チームのベストプレーヤーとして国内で経験を積んだほうが、より成長できる選手も中にはいると思います」
――海外で伸びる選手、伸びない選手の違いはどこにあると思いますか?
「正直、わからないです。八村選手や馬場選手だったり、物怖じせず、明るくコミュニケーション能力が高い、どこに行っても順応できる選手は伸びるのかなとは思います。ただ、僕自身はアメリカに行って大正解だったと思うんですが、八村選手や馬場選手とは性格が真反対でした。
渡米した頃、どちらかというと口数が少なく人とコミュニケーションをとるのも苦手でしたから。僕はアメリカに行き、技術面も成長できたと思いますが、それ以上に性格面で変われたことが今こうやって、プロとしてプレーできている一番の理由だと思っています。なので、僕自身、向こうでやっていけるだろうって思う選手像と僕自身が真逆の性格だったんで、どんな選手がアメリカで成長できるかは一概には言えないんですよね」
――渡米当初はイエスとノーくらいしか英語が話せなかったそうですね。
「はい(笑)。逆にそれくらいしか知らないからこそ飛び込めたのかなと。留学の大変さや言語でコミュニケーションを取れない大変さなど、そういった知識がありすぎたら思い切って飛び込めなかったんじゃないかなって思います」
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