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76ersが手にした「ギフト」。
ビッグ3の完成でチームは快進撃 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Image

 長年の再建政策が実り、現在の76ersは数多くの若手有望株を抱え、リーグ屈指の注目チームになった。中心になるのはジョエル・エンビード、ベン・シモンズという突出した才能を持つ"2大ヤングスター"。身体能力、クイックネス、スキルをすべて備えた万能派センターのエンビードは、24歳にしてNBA最高級のビッグマンと呼ばれるようになった。

 一方、昨季新人王に輝いた22歳のシモンズは、「レブロン・ジェームズの後継者」という声も挙がるほどの大型オールラウンダー。「常にスーパースターを中心に動く」といわれるNBAでも、これほど魅力的なデュオを抱えているチームはほとんどない。この2人を軸に、76ersは新たな黄金期を切り開いていくかと思われた。

 しかし、発展途上のタレント集団は様々な形で脆さも露呈している。昨季プレーオフ第2ラウンドでは、戦前は有利と予想されながらボストン・セルティックスに1勝4敗で完敗。オフに有効な補強ができなかった今季も、最初の14戦で8勝6敗と開幕ダッシュに失敗した。リーダーシップ、プレーメーカー不足が取りざたされ、チーム内の雰囲気も停滞気味。一部の主力を放出し、ミネソタ・ティンバーウルブズからバトラーを獲得するという大鉈を振るったのは、そんなタイミングだった。

「私たちが手にしたのはギフト(=バトラー)だ。目の前で見ると、彼がさまざまな意味でエリートレベルの選手だとわかる。リーグを代表するディフェンシブ・プレイヤーで、クランチタイム(正念場)に守備で最高級のプレーを見せてくれる。それに加えて、オフェンス面でもウィニングプレーを決めてくれるんだ」

 ブレット・ブラウンHCがそう述べるとおり、バトラーは76ersに足りなかったものを埋めてくれる存在。オールスター4度選出のスウィングマン(ひとりで複数の役割をこなす選手)のよさはオフェンスだけではなく、ペリミター(アウトサイド)の守備力でもリーグ屈指。前述どおり勝負強さも備えており、エンビード、シモンズを支える第3のスターとして興味深い選手だ。

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