NBAは「アメリカ以外出身」がスゴい。異能の世界超人たちが大暴れ (5ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

 21世紀に入ると海外出身選手特有のプレースタイルは徐々に影を潜めていったが、最後に異文化の香りを放ったのは、2002年にヨーロッパ経由でNBA入りしたアルゼンチン人のマヌ・ジノビリ(サンアントニオ・スパーズ/SG)ではないだろうか。NBAデビュー早々、「ジノビリステップ」と呼ばれた進行方向を瞬時に変える独特のステップで異彩を放った。今では「ユーロステップ」と呼ばれるようになり、世界中の選手が使うテクニックとなっている。

 現在、ヨーロッパ出身ビッグマンの「デカくてうまい」というDNAは、パウ・ガソル(スパーズ)とマーク・ガソル(メンフィス・グリズリーズ)のスペイン出身のガソル兄弟や、セルビア出身のニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ)に引き継がれている。また、ペトロヴィッチやマーシャローニスの系譜も、スロベニア出身のゴラン・ドラギッチ(マイアミ・ヒート/PG)が継いでいるように思える。

 しかし近年のNBAは、いよいよ新時代に突入した感が強い。大きく、強く、速いのは当たり前。シュート力のみならず、パス、ドリブル、さらにはディフェンスにおいても高いスキルを持ち合わせる、まさに過去の海外出身選手のすべての個性を持ち合わせたような3人の怪物がリーグを席巻しようとしているのだ。

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