NBAが騒然。アービングがポッドキャストで語る「独自の世界観」 (4ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

「僕には、バスケットボールよりさらに大きな使命がある。バスケットボールは大好きで、多くの時間を捧げてきたけれど、最高のバスケットボール選手になるために努力することと、人間としてできるかぎり向上することは、両方同時にできると思う。

 自分の世代だけでなく、『次の世代にどう影響を与えることができるのか』といったことも考える。もし、自分が言ったことがネガティブに受け止められるのなら、それは真実ではない。究極の真実はひとつだけ。究極には、みんながお互いを愛し、それぞれが辿ってきたその旅自体がすばらしいことだと理解し合うこと。

 小さなことでも、その瞬間、瞬間の出来事を楽しむこと。試合の準備をすることをありがたく思うのと同じように、シャワーを浴びているその瞬間もありがたく思ったらどうだろうか。今の瞬間だけを考え、今となりにいる人を愛することだけを考え、バスケットボールで自分の力を全力で出し切ることだけを考え、この本から最大限の知識を得ることだけを考える。最後にそうやってすべての瞬間を生きていたのは、いつだっただろうか?

 僕は誰かと会話をしていたら、それにすべての集中を傾ける。みんなとそういった時を共有することができる。みんなに与えることができるだけのエネルギーがあるのに、それを共有しないのはセルフィッシュだ。そのことを本当に信じている。自分の行動や自分のあり方によって、どうやって人々に伝えるかをまだ学んでいるところだ。感情や思考から自由になりたい。完全に自分でコントロールできるようになりたい。そうすることで、みんなと分かち合い、かつ、自分にも残すものがあるようになりたい」

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