「トランプ大統領」の当選にNBA選手はどんな反応を示したのか

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

 昨年6月、クリーブランド・キャバリアーズがゴールデンステート・ウォリアーズを破ってNBAチャンピオンとなった数日後、キャブスの練習場にいたティロン・ルー・ヘッドコーチのもとに1本の電話がかかってきた。

ヒラリーを下して第45代アメリカ大統領となるドナルド・トランプヒラリーを下して第45代アメリカ大統領となるドナルド・トランプ バラク・オバマ大統領からの優勝祝福の電話だった。会話のなかで、オバマ大統領は言った。

「私の任期が終わる前にホワイトハウスに来る機会があるといいのだけれど。ぜひ直接、祝福したい」

 それから4ヵ月半後、オバマ大統領の任期終了まで2ヵ月あまりとなった11月10日、ルーはキャブスの選手やコーチとともにホワイトハウスを訪問した。

「僕と、僕の家族やその他多くの人にとって、初の黒人大統領が誕生したということは、とても大事なことだった」とルーは語った。「選手たちにとっても、黒人大統領とその仕事場(ホワイトハウス)で会うというのは大きな出来事だ。それだけに、彼がまだここにいるうちにホワイトハウスを訪問したかった。次にいつ(黒人の大統領が)実現するかわからないからね」

 ルーのこの言葉からも、オバマ大統領が多くのNBA選手やコーチたちにとって特別な存在だったことがわかる。なにしろ、選手の約4分の3が黒人からなるリーグだ。単に黒人の選手やコーチたちだけでなく、日常的に黒人選手たちと接している他の人種の選手やコーチたちも、その意味の大きさをよく理解している。さらに、そのオバマ大統領が熱狂的なバスケットボールファンで理解者なのだから、なおさらだ。

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