日本男子バスケは、未来永劫オリンピックに出場できないのか? (4ページ目)
また、バスケットボールに限ったことではないが、目の前の勝利にとらわれすぎる勝利至上主義についても、再考し、育成年代だけではなく、その先の将来的な強化を"ビッグピクチャー"(大局的観点)をもって取り組む必要があるだろう。
外国人、日本人を問わずこうした考えを持つ、視野の広い指導者は個人レベルで多くいる。そこに今後は、協会や団体も断固たる決意と指針を持って臨んでほしい。
アメリカの大学でプレーしている渡邊雄太(ジョージワシントン大)や、これからアメリカのゴンザガ大学へ進学する八村塁らの存在は、今後の日本代表に明るい光を与える。
しかし、彼らは日本の育成システムが生み出した、というよりは"現れた"と表現したほうがいい選手たちだ。今後は育成システムから、こういったレベルの選手をより多く生み出すことができれば、代表の強化につながる。
代表の強化や育成を担当する協会の技術委員会の委員長に東野智弥氏が就任した。彼はトップリーグでのヘッドコーチ経験があり、かつ早稲田大学大学院でバスケットボールの研究もしていた。英語も堪能で海外とのネットワークも持っており、この役職にこの上なく適していると思われる人物だ。
その東野氏は5月の就任会見でこんなことを言っていた。ジェリコ・パブリセビッチヘッドコーチの下でアシスタントコーチを担っていた06年世界選手権のときを振り返り、「この時のチームはフィジカル面でも世界と戦えるだけのものを培っていたが、世界選手権後にコーチ陣が一新され、そのフィジカルの強さは継続されなかった」というのだ。
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