【NBA】プレーオフ開幕。イースト王者キャブスは「天敵」と激突 (3ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by AFLO

 ピストンズの強みは、スターター全員が平均14.0得点以上という、どこからでも点が獲れるバランスの良さと、1試合チーム平均46.3本でリーグ2位タイをマークしたリバウンド能力の高さだ。インサイド陣だけを比較すると、ピストンズが相手を圧倒するかもしれない。キャブスのエンジンのかかりが遅ければ、いきなりアップセット(番狂わせ)を起こす可能性も十分にある。

 実力が拮抗しているカードで言えば、アトランタ・ホークス(48勝34敗/4位)対ボストン・セルティックス(48勝34敗/5位)の組み合わせも興味深い。

 今季はシカゴ・ブルズが2008-09シーズン以降初めてプレーオフ進出を逃して期待を裏切ったが、逆に良い意味で期待を裏切ったのがセルティックスだ。1試合平均105.7点の得点力はイースト・ナンバー1。その原動力となっているのが、エースのアイザイア・トーマス(PG)だ。2011年のドラフト2巡目全体60位という最下位指名ながら、今季はオールスターに初出場を果たす大躍進。175センチの小兵ながら、平均22.2得点(リーグ11位)の成績は立派だ。

 セルティックスの魅力は強敵相手、さらにアウェーでこそ発揮される。2月5日にはアウェーでのキャブス戦でエイブリー・ブラッドリー(PG)がブザービーターを沈め、104-103の逆転勝利。さらに4月1日に敵地オラクル・アリーナで行なわれたウォリアーズ戦でも109-106で勝利を収め、2015年1月25日から続いていたウォリアーズのNBA歴代最長ホーム連勝記録を「54」で断ち切った。エバン・ターナー(SG)は、「どこが相手でも勝てる。理由は単純だ。俺らはタイトルを争えるチームに勝ってきたんだから」と自信をのぞかせている。

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