2014.10.28

【NBA】勢力図が一変。レブロン加入でキャブスが大本命

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro photo by Getty Images

【2014-2015年シーズン展望@イースタン・カンファレンス編】

 東部戦線、異状あり――。今季のイースタン・カンファレンスは、昨季までの勢力図とは一変する。

 昨年、33勝49敗と大きく負け越し、イースタン・カンファレンス10位のクリーブランド・キャバリアーズが、今季の主役に躍り出るのは間違いない。理由は明白――「王の帰還」だ。マイアミ・ヒートからFAとなり、去就が注目された「キング」ことレブロン・ジェームズ(SF)が、5年ぶりに故郷オハイオ州のキャブスに復帰したからだ。クリーブランドに戻ることに関して、レブロンはこんな声明文を発表している。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

レブロン・ジェームズは古巣キャブスをNBAの頂点に導けるか「自分がどこでバスケをするか誰にも気にされていなかったころ、僕はオハイオの北東地域に住むただの子どもだった。そこで歩き回り、そこで走り回り、そこで泣き、そこで血を流した。(オハイオは)自分の心の中でとても大切な場所だ。チャレンジする準備はできた。今から帰るよ」

 レブロンがいるだけで、プレイオフ進出は当確。しかし、キャブスが狙うのは、その先だ。レブロンが新しくコンビを組むのは、今夏のFIBAワールドカップでアメリカ代表として活躍した22歳のカイリー・アービング(PG)。スーパースターへの階段を着実に駆け上がっており、レブロンと一緒にプレイすることで、今季さらなる飛躍を遂げることだろう。

 さらにキャブスは、2013年ドラフト全体1位指名のアンソニー・ベネット(SF/PF)、2014年ドラフト全体1位指名のアンドリュー・ウィギンス(SG/SF)、2015年のドラフト1巡目指名権を放出する代わりに、ミネソタ・ティンバーウルブズからケビン・ラブ(PF/C)を獲得した。ラブはインサイドプレイヤーながら3ポイントシュートに長(た)けているため、相手のマークがアウトサイドに釣り出されることになり、インサイドにレブロンとアービングをドライブさせるための広大なスペースが生まれるに違いない。レブロン、アービング、ラブの3人は、一時代を築いたマイアミ・ヒート時代のレブロン、クリス・ボッシュ(PF/C)、ドウェイン・ウェイド(SG/PG)の『ビッグ3』を彷彿とさせ、それを上回る可能性すらはらんでいる。また、レブロン自ら勧誘したマイク・ミラー(SG/SF)とジェームズ・ジョーンズ(SF)、さらにはディフェンスに定評のあるショーン・マリオン(SF/PF)を獲得できたのも大きい。電卓を弾けば、キャブスがイースタンを制する可能性は、最も高い。

 不安要素を上げるとしたら、チームケミストリーを構築することに手間取り、序盤戦でつまずく可能性があることと、シュートを乱発する傾向のあるディオン・ウェイターズ(SG)がチームの和を乱さないか、ということぐらい。それでも、レブロンの戦線離脱がない限り、ほぼ間違いなく、半年後にはキャブスがカンファレンス・ファイナルに進出しているはずだ。