2014.10.28

NBA開幕。王者スパーズの連覇を止めるのはどこだ?

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro photo by Getty Images

【2014-15年シーズン展望@ウェスタン・カンファレンス編】

 イースタン・カンファレンスのパワーバランスが激変したのとは対照的に、ウェスタン・カンファレンスは昨季の上位陣が引き続き強さを発揮しそうだ。ただし、「ワイルド・ワイルド・ウェスト」と呼ばれるように、ウェスタンは近年、群雄割拠。「西高東低」の図式は今季も変わらず、「イースタンならプレイオフ進出なのに……」と囁(ささや)かれるチームがひしめき合う。昨年は、ノーマークだったポートランド・トレイルブレイザーズが飛躍したように、キッカケひとつでプレイオフに食い込むチームが現れてもおかしくない。

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左からトニー・パーカー、ティム・ダンカン、マヌ・ジノビリの「ビッグ3」は今年も健在 それでも、間違いなく優勝争いに絡んでくるのが、昨季のNBA覇者――サンアントニオ・スパーズだ。ティム・ダンカン(PF/C)、トニー・パーカー(PG)、マヌ・ジノビリ(SG)の「ビッグ3」は解散することなく、17シーズン連続でプレイオフ進出を継続している。過去10年間で、一度もプレイオフ出場を欠かしていないチームは、NBA30球団でスパーズしかいない。今季のスパーズは、17年で5度の優勝を遂げながら、いまだ成し得ない「リーグ連覇」に挑む。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

 ダンカンが38歳、ジノビリが37歳、そしてパーカーも32歳となり、「そろそろ限界か」と言われ続けているものの、そのチーム力に陰りは見えない。公式ホームページ『NBA.com』がリーグのGM30名に、「2014-15年シーズン、ウェスタン・カンファレンスの勝者は?」と聞いたところ、「スパーズ」と回答した割合は、昨年の40%をゆうに超える55.6%と、ダントツの1位だ。

 スパーズは今季も、ベテランのプレイタイムを制限して、負担を軽減させながらシーズンを戦うだろう。いきなり失速する可能性は、ビッグ3が3人同時に故障した時くらいか。不幸を前提とした予想は心苦しいが、それぐらいスパーズは強い。個人技を排除し、オープンスペースを巧みに生み出す教科書のようなオフェンスを、面白いと感じるか、退屈と見るかは別として。

 スパーズを追う筆頭は、前述のGMアンケートでも優勝候補2番手に挙げられたオクラホマシティ・サンダーだろう。リーグの顔としてレブロン・ジェームズと双璧をなすケビン・デュラント(SF)と、「スピードスター」ことラッセル・ウェストブルック(PG)のデュオは、どのチームにとっても脅威だ。

 そんな矢先、FIBAワールドカップ不出場で十分に休暇を取り、万全の体勢で新シーズンに挑むと思われたデュラントが、よもやの戦線離脱。10月11日の練習後、右足に違和感を覚えて検査を受けると、小指付け根の疲労骨折が発覚した。16日に手術を受けたデュラントの復帰は、早くとも12月以降になる可能性が高い。絶対的エースの不在時にチームが失速し、デュラントが復帰したころには取り返しがつかないほど傷口が広がっている可能性もある。