【NBA】大物獲得から若手育成へ。ビッグ3ブーム終焉の予感

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi 是枝右恭●写真 photo by Koreeda Ukyo, AFLO

 現地4月16日にレギュラーシーズンが終了し、各カンファレンス上位8チームがプレイオフに進出。その一方、下位に沈んだ14チームが早々にシーズンを終えた。レギュラーシーズンを振り返り、予想以上に目覚ましい活躍を見せたチーム、そして期待外れに終わったチームを、「ミスター・バスケットボール」こと佐古賢一氏に聞いた。

プロ4年目にして初めてプレイオフの舞台を踏むワシントン・ウィザーズのジョン・ウォールプロ4年目にして初めてプレイオフの舞台を踏むワシントン・ウィザーズのジョン・ウォール まず今シーズン、最も衝撃を受けたチームは、ワシントン・ウィザーズ(イースタン・カンファレンス5位)ですね。開幕前はまったくのノーマークでしたので、まさかプレイオフ圏内にまで食い込んでくるとは思いもしませんでした。昨シーズンの29勝53敗・勝率.354から、今シーズンは一気に44勝38敗・勝率.537。これほどのジャンプアップは、まさに見事としか言いようがありません。

 プレイオフ進出の一番の立役者は、間違いなくポイントガードのジョン・ウォールでしょう2010年ドラフト全体1位でウィザーズに入団したウォールは、当時から大きな注目を集めていた選手でした。その期待に応えるべく、ウォールは1年目からスタメンを務め、NBAオールルーキーファーストチームにも選出。しかし、ここ2年は度重なるケガにより、シーズンを通して出場することができませんでした。

 その間、同じ2010年ドラフト組でブレイクを果たしたのが、インディアナ・ペイサーズのポール・ジョージ(10位)です。同じ1990年生まれのウォールからすれば、さぞかし悔しかったでしょう。しかし今シーズン、82試合にフル出場したウォールはついに本領を発揮しました。平均19.3得点(リーグ20位)、8.8アシスト(リーグ2位タイ)、1.82スティール(リーグ8位)と、軒並み高い数字を叩き出し、一躍、リーグを代表するポイントガードとなったのです。

 今シーズン、ウォールのすごさを目の当たりにしたのは、オールスターゲームの時です。現地ニューオリンズで生観戦したのですが、ダンクコンテストでベストダンカー賞に選ばれたプレイは、まさに圧巻でした。あまりにも速すぎて、僕ですらボールの動きが見えなかったんです。ボールハンドリングのスピード、そして空中での体幹の強さ......改めてウォールの能力の高さを感じましたね。

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