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【NBA】王者が勝てないウェスタン。プレイオフは今年も荒れる?

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro photo by AFLO

【2014年プレイオフ展望@ウェスタン・カンファレンス編】

 レギュラーシーズンの戦いぶりを見れば、ウェスタン・カンファレンスの優勝候補筆頭は、第1シードのサンアントニオ・スパーズ(62勝20敗)で揺るがない。それを追う第2グループが、第2シードのオクラホマシティ・サンダー(59勝23敗)、第3シードのロサンゼルス・クリッパーズ(57勝25敗)の2チームという図式か。

※カッコ内の勝敗は今シーズンのレギュラーシーズン最終成績

優勝候補のスパーズ。ティム・ダンカンは2011年の悪夢を振り払うことができるか優勝候補のスパーズ。ティム・ダンカンは2011年の悪夢を振り払うことができるか スパーズは、PGトニー・パーカー、PFティム・ダンカン、SGマヌ・ジノビリのベテラン3選手が健在。例年どおり各選手はシーズンの合間で休養を取りながら、プレイングタイムも制限している。平均出場時間が30分を越す選手は、チームにひとりもいない。プレイオフに備え、疲労を蓄積させない状態でレギュラーシーズンを戦い、それでいてシーズン終盤には19連勝を記録。最終的に62勝20敗というリーグ最高成績を残すのだから、疲労困憊でプレイオフに突入する他チームからすれば、別次元のチームにすら見えるだろう。

※ポジションの略称(PG=ポイントガード、SG=シューティングガード、SF=スモールフォワード、PF=パワーフォワード、C=センター)

 また、時に、「面白味に欠ける」と揶揄(やゆ)されることのある堅実なチームスタイルも揺るがない。プロ3年目のSFクワイ・レナード、3ポイントシューターのSFダニー・グリーン、イタリア代表のSGマルコ・ベリネッリなど、脇を固める選手たちがセルフィッシュなプレイを一瞬たりとも見せず、個々が役割に徹している。チーム力を数値化できるなら、頭ひとつ抜けた存在だ。もしも、勝利の方程式が存在するならば、導き出す答えは、「スパーズ」だろう。

 しかし、勝利の方程式は時に気まぐれだ。ウェスタン・カンファレンスには、波乱がよく似合う。過去3年間、第1シードのチームは一度もNBAファイナルまで辿り着いていないのだ。

 第2シードのオクラホマシティ・サンダーは、リーグの顔となったSFケビン・デュラントと、「スピードスター」ことPGラッセル・ウェストブルックの2枚看板を擁する。デュラントは今シーズン、41試合連続25得点以上を記録し、マイケル・ジョーダンを抜いて歴代3位となる金字塔を打ち立てた。爆発的な得点力は、今シーズンも変わらずだ。

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