【NBA】王者が勝てないウェスタン。プレイオフは今年も荒れる? (2ページ目)
NBA PLAYOFFS 2014 Western Conference しかし、相棒のウェストブルックには、心配が付きまとう。昨シーズン、サンダーは第1シードを獲得したものの、プレイオフ1回戦でウェストブルックがひざを故障して離脱。カンファレンス・セミファイナルまで駒を進めたが、サンダーはウェストブルック不在の穴を埋めることができず、メンフィス・グリズリーズに1勝4敗で敗れ去った。そんな反省を踏まえ、ウェストブルックは万全な状態で今シーズンを乗り切るはずだった。しかし、昨年12月に右ひざが腫れて、再びメスを入れることに。2月に復帰した後は変わらぬ活躍を見せるも、プレイングタイムを制限。しかし、プレイオフで接戦が続いた時にも、プレイングタイムを制限できるのか? 今シーズンのサンダーは、スパーズとの対戦成績が4戦全勝。打倒スパーズの最右翼だが、右ひざに爆弾を抱えるウェストブルックがサンダーの命運を握っている。
一方、PGクリス・ポールがチームを牽引するクリッパーズは、フランチャイズ史上最多の57勝を挙げて第3シードを獲得。1試合平均108.0得点を記録したリーグ1位のオフェンス力がウリだ。打ち合いになれば、どのチーム相手でも蹴散らす破壊力を持つ。なかでも、PFブレイク・グリフィンの成長が目を見張る。今シーズン、キャリアハイとなる平均24.1得点と、もはやダンクだけの選手ではないことを証明した。しかし、グリフィンは過去2度出場したプレイオフで、レギュラーシーズン以下の数字しか残せていない。成長を遂げた今シーズンは爆発することができるのか? それとも三度(みたび)、沈黙してしまうのか?
これらシード上位3チームは、どれも簡単には勝ち星を落とさないだろう。しかし、今シーズンのウェスタン・カンファレンスのレベルは総じて高い。惜しくもプレイオフ進出を逃したウェスタン9位のフェニックス・サンズですら、48勝34敗・勝率.585。47勝以上を挙げてプレイオフに進出できなかったのは、今シーズンのサンズを含め、NBA史上5チームしかいない。つまり、プレイオフに出場するどのチームも、一発の魅力を秘めている。
第4シードのヒューストン・ロケッツ(54勝28敗)は、センターにドワイト・ハワードを据えたことでゴール下が安定。また、ヒゲが特徴のSGジェームス・ハーデンは今シーズンも平均25.4得点(リーグ5位)と、いまや得点ランキング上位の常連だ。さらに、PGジェレミー・リンやSFチャンドラー・パーソンズら若手プレイヤーも好調を維持。着実にチーム力を高め、昨シーズンの第8シードから大きく順位を上げている。1試合平均103.1失点のディフェンス力はプレイオフ出場チーム中最低だが、平均107.8得点はクリッパーズに次ぐリーグ第2位。点の取り合いは望むところだ。また、今シーズンのスパーズ戦は4戦全勝と相性もいい。
一方、3年ぶりのプレイオフ出場となる第5シードのポートランド・トレイルブレイザーズ(54勝28敗)は、PGデイミアン・リラードとPFラマーカス・オルドリッジのふたりがチームを引っ張る。さらに、ブルーワーカータイプのCロビン・ロペスが加入したことで、オルドリッジの負担が軽減。その結果、シーズン開幕から勝ち続け、一時は首位に立つ快進撃を見せた。オルドリッジの故障などで勢いを失なった時期もあったが、彼の復帰とともに再上昇。オルドリッジのミドルレンジからのショットは抜群の安定感を誇り、マークマンが止めようとエリア外に出れば、リラードにドライブのスペースを与えることになる。対戦チームにとっては非常に抑えづらいデュオだ。
2 / 3