【NBA】歴代2位の23連勝。絶好調ヒートの弱点を探してみる
連勝記録を更新し続けるマイアミ・ヒート。好調レブロン・ジェームズを止めることはできるのか 2位のインディアナ・ペイサーズを11.5ゲーム差まで引き離し、イースタン・カンファレンスを独走する昨年のNBA王者マイアミ・ヒート。3月18日現在、連勝記録をリーグ史上2位の『23』まで伸ばすなど、その強さは圧倒的だ。NBA2連覇に向けて順調に勝ち星を積み重ねているヒートに、果たして弱点はないのだろうか。今回の『佐古賢一のカットインNBA』では、まったく隙の見えない最有力優勝候補、ヒートについて話を聞いた。
今シーズンのヒートは想像以上に強いですね。その要因は、やはりレブロン・ジェームズのチーム内での立ち居地がハッキリしたからだと思います。クリーブランド・キャブス時代も含め、昨シーズンまでのレブロンは得点奪取を第一に求められ、彼自身もそれを意識してプレイしていました。しかし、昨年初めてNBAの頂点に立ったレブロンは、今シーズン開幕からアシストに回る時間が格段に増え、ディフェンスやリバウンドにも積極的に参加するようになっています。本来なら得点王を狙うことのできる選手が、それに執着せず、チームの歯車として回るように立ち居地を変えたのです。これが今シーズン、ヒートが抜群の安定感を誇っている最大の要因でしょう。
非常にバランスがいい今シーズンのヒート。スモールフォワード(SF)のレブロンがアシストに回ることで、シューティングガード(SG)のドウェイン・ウェイドや、パワーフォワード(PF)のクリス・ボッシュの良さが引き立ち、さらにポイントガード(PG)のマリオ・チャルマーズも著しく成長した姿を見せるようになりました。そして、バックアップメンバーもいい。特にバードマン(クリス・アンダーセンの愛称)と、ディフェンスに長けたシェーン・バティエの存在が効いています。泥臭い仕事のできる選手がしっかりとサポートしているので、相手チームはどこを攻めていいのか分からなくなっているのではないでしょうか。ベテランのレイ・アレンもシックスマンとして控えていますが、僕はバードマンとバティエのふたりが、ヒート快進撃のカギになっていると思うのです。
そんな磐石な体制のヒートを、どうやって崩すことができるのか――。正直、弱点を探すのは非常に難しいですね。
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プロフィール
佐古賢一 (さこ・けんいち)
1970年7月17日生まれ、神奈川県出身。179cm/ポイントガード。北陸高→中央大→いすゞ自動車→アイシン精機。日本を代表する司令塔として活躍し、『ミスターバスケットボール』と呼ばれる。的確な判断力と要所の得点力で、JBLリーグ優勝9回、全日本選手権優勝12回を果たす。2011年に現役引退。
WOWOW(http://www.wowow.co.jp/sports/nba/)でNBA解説など活躍の場を広げている。現在はJBA理事ナショナル男子を担当。近況はコチラ