【NBA】コービーがジョーダンから学んだ「引退後の生き方」 (2ページ目)
「彼(ジョーダン)は、先人として歩んで行った恩恵を受けている一方で、苦しみも味わっている。僕にも、2番目として歩んで行くことの恩恵がある一方で、同時に苦しみもある。だが僕には、先人が経験したことを見て、それを学ぶことができる」
子どものころからジョーダンのマネをし、NBAに入ってからも常にジョーダンと比較されてきたコービー。後を追うことで、効率よくできたことがある一方、「二番煎じ」だと言われ、認めてもらえないこともあった。ただ、先にジョーダンが壁にぶつかったことで、コービーはその乗り越え方を学ぶことができた。事実、フィル・ジャクソンのコーチングにしても、ティム・グローバー(ジョーダンの元専属トレーナー)のトレーニングにしても、コービーの行きついた先は、ジョーダンから受け継いだものだ。
しかし、どれだけ先人を見て研究し、理解しても、避けられないことはある。引退も、そのひとつだ――。
コービーの近い関係者によると、来シーズン後の引退を示唆している理由のひとつは、レイカーズに大物FA選手と契約するチャンスが訪れたとき、それを邪魔したくないという考えがあるからだという。ただ、高いレベルでプレイし続けることができ、レイカーズが優勝を狙えそうなチームだったら、契約終了後も1シーズンずつ、現役生活を継続するのではないかとも語っている。
引退後の具体的な生活について、コービーは何も語っていない。だが、「引退後に何をやりたいか?」についての考えは、あると言う。
「引退した後も、情熱を注げるようなことを見つけること。それ自体が、選手にとって最大のチャレンジなんだ」
どんな偉大なプレイヤーも、『引退』という二文字を避けては通れない。数年後、現役生活にピリオドを打ったコービーは、新たに情熱を注げるものを見つけることができるだろうか。コービー・ブライアントの最大のチャレンジは、まだ始まっていない。
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