JBLとbjリーグの統合はなぜ進まないのか? (4ページ目)
――他団体と比較するのは恐縮ですが、この間、サッカーはJリーグの発展とともに4度のW杯出場を果たし、ベスト16を二度獲得しています。バスケットはプロ化が検討され始めてすでに20年が経過しましたが、未だに統合がなされない。手詰まりなのは何が原因なのでしょうか。
「ひと言で言えば、残念ながら情熱とプロデュース能力の欠如ではないでしょうか」
――情熱の欠如ですか。
「事実として新リーグ設立委員会がたったの3回しか全体会議をやってないわけですから。もっと頻繁に議論をして活性化してほしかったですね。たとえば分科会を作って、現場の人たちの意見を聞いて取り込んでいく。ヘッドコーチの分科会、マネージャーの分科会、経営者の分科会を作って、そこで喧々諤々(けんけんごうごう)議論して、何が一番いいのかということを、話し合う機会を作っていくことを期待したい。課題はやっぱり現場の声をどうまとめるかだと思うんです」
――Jリーグには森(健兒)さん、木之本(興三)さん、川淵(三郎)さんという人材がいましたが、今回の統合断念もその推進力がなかったということでしょうか。
「統合、プロ化を進めるうえで根底に何を置くかなんですよ。それをやっていけば相当変わっていたと思います。まず、何か障害があったときに『では、あなたは日本のバスケットが強くなくていいのですか』と言ったら、誰もそれに対してイエスとは言えないですよね。やっぱり世界でも勝ちたいですよね。じゃあどうするのか。そういうところから歩みよりができればよかったのですが」
――廣田さんはプロ化に向けて運営会社を作って、別収支にしましょうという提案を再三再四されていたとうかがっているんですけども、そこに踏み込めないところも企業の論理なのでしょうか。
「そうでしょうね。事実上、JBLでも別の運営会社を作ってやっているところもあるわけです。ただ、プロという名前で、要は興行を行なうということに対して、ものすごく保守的で前に出てこられないみたいですね」
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