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【男子バスケ】世界選手権出場に向けてスタート。「アジアを勝ち抜ける手応えを感じた」

  • 横谷和明●取材・文 text by Yokoya Kazuaki
  • photo by Nikkan sports

ベテランとしてチームを引っ張る立場になった竹内公輔選手ベテランとしてチームを引っ張る立場になった竹内公輔選手 第4回FIBA AISAカップが9月14~22日に大田区総合体育館で開催され、日本は決勝でイランに51-53と惜敗し、2大会連続の2位に終わった。残り19秒で無念の逆転負けを喫してしまった日本だが、今後に向けて大きな収穫が得られた大会になった。

 FIBA ASIAカップは、世界選手権(14年開催)の予選となる来年のアジア選手権に向けた第一歩といえる国際大会。
ASIAカップの優勝国には翌年のアジア選手権の出場権が与えられ、2~5位のチームが所属するサブゾーンにはそれぞれアジア選手権の出場枠が与えられるからだ。日本が所属する東アジアゾーンの出場枠はもともと2チームだが、今大会で日本が2位、中国が5位に入ったことで枠は「4」になった。同ゾーンには中国、韓国という強豪国がいるため、今大会の目標はベスト4、つまり自らの力で出場枠を拡大することにあったが、見事にそれを実現した。

 日本は今大会に向けて3名の大学生をメンバーに抜擢し、平均年齢24.9歳という若い布陣で臨んだ。チームを牽引するのはベテランのポイントガード、桜井良太(レバンガ)とインサイドの要、竹内公輔(トヨタ)。さらに帰化選手の桜木ジェイアール(アイシン)を加え、ベテランと若手の融合を目指した。鈴木貴美一ヘッドコーチ(以下HC)は言う。

「日本はサイズが小さくてリバウンドが弱い分、国際試合で勝つためにはアグレッシブなディフェンスをしなければならない。相手の得点を60点台に抑え込み、あとはシュートの精度を上げる、フリースローを確実に沈める、ターンオーバーを相手チームより少なくする。こういったところを突き詰めていく必要がある」

 予選リーグを3勝1敗の2位で通過した日本は、決勝トーナメントに入るとディフェンスが冴えわたる。全員が体を張った献身的なディフェンスで相手のオフェンスを封じ込め、決勝では中国と並ぶアジアの強豪国イランを相手にリバウンドでも互角に渡り合った。7試合を通して1試合あたりの平均失点は約65.6点。決勝トーナメントの3試合にいたっては、約56.3失点。チーム一丸でディフェンスをするという姿勢は、最後の最後まで崩れることがなかった。これまでは試合を重ねるごとに体力を消耗し、大一番で力を発揮できないことも多かったが、若手選手が増えたことやコンディショニングがうまくいったこともその要因に挙げられるだろう。

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