【NBA】レブロンはジョーダンを越えられるか?
あのマイケル・ジョーダンをも超える才能を持つと言われているレブロン・ジェームズ マイアミ・ヒートがついにファイナル4まで勝ち残りました。注目はやはり、今シーズンのNBA最優秀選手(MVP)に選ばれたレブロン・ジェームズです。昨年のファイナルでダラス・マーベリックスに屈したリベンジを果たすことができるのか。カンファレンス・ファイナルのボストン・セルティックス戦は、まさに正念場でしょう。昨年は精神的な弱さを指摘されたレブロンですが、今年のプレイを見ていると、やっぱりすごい選手だと改めて思います。ここ4年で3度(2008-09、2009-10、2011-12シーズン)、MVPを受賞していますが、レブロンのスタッツ(個人成績)を見れば当然ではないでしょうか。というのも、レブロンほどの選手になれば、「毎年同じパフォーマンスをすれば同じ数字を残せる」というわけではないからです。
対戦する相手チームは、どうすればレブロンを止められるのか、毎年ものすごく研究してシーズンに臨んできます。レブロンの細かなクセを分析し、対策を練り、それに適したシフトを敷いて試合に挑んでくるのです。そんな過酷な状況でも、レブロンは毎年、コンスタントに安定した数字を残しています。もし、レブロンが前年と同じレベルのままなら、きっと数字を下げているでしょう。毎年、バスケットのレベルを進化させていくことは、本当に容易なことではありません。
過去2度MVPを受賞したクリーブランド・キャバリアーズ時代は、レブロンのアイソレーション(※注)で自らシュートを打つ機会が多く、ボールを雑に扱うことも多かった。しかし、移籍したヒートにはドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュらがいるので、ファーストオプションでレブロンがゴールを狙う時間帯は少ないんです。それでも、アベレージが変わっていないんですから、常に進化している証拠でしょう。周囲の選手を立てながら自分も最低限のレベルをクリアするというのは、なかなかできることじゃありません。
(※注)1対1を仕掛けやすいように企図されたフォーメーション
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著者プロフィール
佐古賢一 (さこ・けんいち)
1970年7月17日生まれ、神奈川県出身。179cm/ポイントガード。北陸高→中央大→いすゞ自動車→アイシン精機。日本を代表する司令塔として活躍し、『ミスターバスケットボール』と呼ばれる。的確な判断力と要所の得点力で、JBLリーグ優勝9回、全日本選手権優勝12回を果たす。2011年に現役引退。
WOWOW(http://www.wowow.co.jp/sports/nba/)でNBA解説など活躍の場を広げている。現在はJBA理事ナショナル男子を担当。近況はコチラ