2012.05.27

【NBA】ファイナル4がついに決定!
無敗のスパーズに若きサンダーが挑む

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi
  • 高須 力●撮影 photo by Takasu TsutomuPhoto by AFLO

若きサンダーを引っ張る3年連続得点王のケビン・デュラント。スパーズの壁を打ち破ることはできるのかNBAプレイオフ2012
【カンファレンス・ファイナル展望】

 ついに東西カンファレンス・ファイナルの対戦カードが決まりました。ウエストはサンアントニオ・スパーズ対オクラホマシティ・サンダー、イーストはボストン・セルティックス対マイアミ・ヒート。勝ち残った『ファイナル4』は、どれも開幕前から優勝候補と言われたチームばかりです。まず、ウエストのスパーズ対サンダーですが、非常に面白いカードとなりましたね。特にスパーズは、今プレイオフで1敗もしていません。ファーストラウンドでユタ・ジャズ、そしてカンファレンス・セミファイナルでロサンゼルス・クリッパーズをともにスウィープ(4勝0敗)した強さは際立っています。

 スパーズの戦いぶりを見ていると、みんなすごい自信に満ち溢れているんです。上り調子になったレギュラーシーズン後半戦で、自分たちのバスケットスタイルを完全に掌握したんじゃないでしょうか。普通、試合で大量リードを奪われると、自分たちのスタイルを崩してでも追いつこうとするものなんです。でも、プレイオフでのスパーズは、相手に先行されても余裕がある。自分たちのスタイルを貫けばいつか追いつけるだろう、という自信がプレイから感じられるんです。

 しかも今のスパーズは、役割分担がハッキリしているんですよ。マヌ・ジノビリ、トニー・パーカー、そしてティム・ダンカンと、それぞれの駒がやるべきことをキッチリとやっています。そのどっしりとした安定感が、スパーズの強さの秘訣だと思いますね。どこを切り取っても、無駄がありません。実に『完成されたチーム』という印象です。

 対するサンダーは、『勢いのチーム』です。昨年までは若さゆえに、自滅によって自ら勢いを殺すケースが多々あり、コロッと負ける弱さを露呈していました。しかし、今年は違います。相手チームが強ければ強いほど成長していったように感じるんですよね。だから、プレイオフで無敗のスパーズが相手となるカンファフェンス・ファイナルでは、僕らの想像を超えるプレイを見せてくれそうな予感がするんですよ。

 完成されたベテランチーム(スパーズ)と、若くて未完成なチーム(サンダー)という、実に対照的なウエストの試合は、きっとドラマを生んでくれるはずです。個人的にはサンダーが勝って、初優勝してほしいですね。というのも、勝ち残った4チームのなかで、『連覇』の可能性を感じさせてくれるのはサンダーだけだからです。もちろん、レブロン・ジェームズに一度はチャンピオンリングを獲ってもらいたいですし、スパーズやボストン・セルティックスもこのメンバーでプレイするのは今年がラストとなるでしょう。本音はみんなに優勝してもらいたい(笑)。でも、長い目で見たとき、NBAが新しい時代を迎えるのであれば、サンダーが頂点を獲ることです。もし、サンダーが初優勝すれば、マイケル・ジョーダンやコービー・ブライアントがスリーピート(3連覇)を成し遂げたときのような新時代が訪れるのではないでしょうか。その幕を開ける瞬間が、このカンファレンス・ファイナルなのかもしれません。