2012.06.12

【NBA】ファイナルを制するのは
『若さ』のサンダーか、『怖さ』を知るヒートか?

  • 永塚和志●文 text Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

両エース対決、レブロンとデュラントのマッチアップに注目せよ!【NBAファイナル2012展望】

「彼らの才能は、圧倒的だった」

 ウエストのカンファレンスファイナル最終戦となった第6戦後、サンアントニオ・スパーズのスター、ティム・ダンカンは、思わず舌を巻いた。

『彼ら』とは、2008年にシアトルから移転後、初のNBAファイナル進出を決めたオクラホマシティ・サンダーのことである。今プレイオフでサンダーは、昨年の王者ダラス・マーベリックス、常勝軍団のロサンゼルス・レイカーズ、そして今季レギュラーシーズン勝率1位のスパーズを撃破。1999年以降、常にこの3チームがウエストを制してきた流れを断ち切り、ついに大舞台へと駒を進めた。

 対するイーストは、昨年ファイナルで敗れたマイアミ・ヒートが、再び勝ち上がってきた。『才能』に目を向けるならば、こちらもサンダー同様、誰もがうらやむような『逸材』ばかりだ。ケビン・デュラント、ラッセル・ウェストブルック、ジェームズ・ハーデンというサンダーの『才能』に対し、ヒートの『逸材』はレブロン・ジェームズ、ドゥエイン・ウェイド、クリス・ボッシュという面々。両者の『三本柱』がどんなプレイを見せるのか、とりわけ『デュラント対レブロン』のエース対決が、勝負を左右しそうである。

 両エース、デュラントとレブロンの共通点は多い。デュラントは2009-10年シーズンから今季まで3年連続得点王に輝いている現代最高のスコアラーで、一方のレブロンも得点王経験のある(2007-08年)リーグ屈指のポイントゲッターだ。ともに、身長2メールを超えるスモールフォワード。さらにドリブルやシュートにも長けたオールラウンダーで、どちらも1対1では止めようがない。

 実はデュラントとレブロンは、昨秋のロックアウト中も一緒にワークアウトするほどの仲である。レブロン曰く「地獄のようなトレーニング」を経験した両者が、ファイナルで相まみえるというのも、非常に興味深い。「デュラントと対戦するのが、今から待ち遠しい」と、レブロンは語っている。

 今季レギュラーシーズンのサンダーとヒートの対戦成績は、1勝1敗の五分。レブロンはクリーブランド・キャブス時代を含めると、デュラントに対して7勝2敗と大きく勝ち越しているというデータもある。しかし、戦前の予想としては、『サンダー有利』の声が圧倒的に多い。理由は、サンダーの攻撃力(平均103.1点/リーグ3位)がヒート(平均98.5点/同7位)を凌駕すると見られているからだ。また、サンダーにはホームアドバンテージがあり(ホームで最大4試合戦える)、さらにカンファレンスファイナルからの休養時間もヒートより長い。このような状況から、世間の下馬評はサンダーに傾いているようだ。