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【NBA】リーグトップでプレイオフに挑むブルズに黄信号?

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi
  • 高須 力●撮影 photo by Takasu Tsutomu Photo by AFLO

昨季MVPデリック・ローズが機能しなければ、ブルズのプレイオフは危ない 昨季MVPデリック・ローズが機能しなければ、ブルズのプレイオフは危ない NBAプレイオフ2012展望
【イースタン・カンファレンス編】

 いよいよプレイオフが始まりますが、イースト(イースタン・カンファレンス)で個人的に気になっているチームは、第4シードのボストン・セルティックスです。なんと言ってもオールスター後のレイジョン・ロンドが、相当いいんですよ。今シーズンで見納めになるかもしれないセルティックスのビッグ3(ケビン・ガーネット、ポール・ピアース、レイ・アレン)を、司令塔のロンドがうまくコントロールしているんです。いまやロンドがいないと、セルティックスのビッグ3は機能しないのではないでしょうか。

 今シーズンはロックアウトの影響で日程的にキツく、ベテランの多いセルティックスには厳しいかと思いました。しかし、ロンドのフル回転の活躍のおかげで、再びファイナル候補に舞い戻ったと思います。今、最も抑え切れない選手は、絶好調時のロンドでしょう。プレイオフではぜひ、ロンドの活躍に注目してください。

 一方、イーストで唯一、シーズン50勝を挙げて第1シードとなったシカゴ・ブルズですが、実はちょっと心配しています。というのも、昨季MVPのデリック・ローズがケガから復帰しましたが、それによりチームを再構成せねばならず、プレイオフ序盤でローズが加わったパターンを試さないといけないからです。もし、そんな様子見の状態でゲームを取りこぼすとなると、チームの士気は一気に下がるでしょう。

 ローズ不在でもブルズは勝っていたので、他の選手からすれば「ローズがいなくても俺たちは勝てる」という意識もあるはずです。さらに復帰後、ローズがキャリアロー(2得点)を記録したのも、ブルズにとっては不安材料のひとつ。ローズ中心のゲームで負けてしまえば、他の選手とヘッドコーチとの確執も生まれやすいでしょう。ファーストラウンドを無事に乗り切れば、波に乗れると思うのですが......。

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著者プロフィール

  • 佐古賢一

    佐古賢一 (さこ・けんいち)

    1970年7月17日生まれ、神奈川県出身。179cm/ポイントガード。北陸高→中央大→いすゞ自動車→アイシン精機。日本を代表する司令塔として活躍し、『ミスターバスケットボール』と呼ばれる。的確な判断力と要所の得点力で、JBLリーグ優勝9回、全日本選手権優勝12回を果たす。2011年に現役引退。
    WOWOW(http://www.wowow.co.jp/sports/nba/)でNBA解説など活躍の場を広げている。現在はJBA理事ナショナル男子を担当。近況はコチラ

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