【女子バスケ】
WJBLプレイオフ開幕。女王JX攻略と五輪につながる戦い
選手層の厚いJX。左から大神雄子、新原茜、木林稚栄、渡嘉敷来夢、諏訪裕美 WJBLのプレイオフが2月18日から始まる。セミファイナル(3戦2先勝方式)の対戦カードは、レギュラーシーズン1位のJX対4位の富士通、2位のトヨタ自動車対3位のデンソー。それぞれの勝者が3月1日から、5戦3先勝方式のファイナルを戦う。
昨シーズンのWJBLは、ファイナル開催中に東日本大震災が起きた影響から、中止を余儀なくされた。JX対トヨタ自動車で1戦目はJXが勝利し、2戦目は福島県郡山市が決戦の地だった。移動して前日練習を行なっていたそのときに、面々は震災に遭遇した。
記録上ではセミファイナルまでの成績をもとにJXが優勝という形になったが、プレイオフの戦い方は戦略面からも別物であり、中止は残念極まりなかった。そういった意味でも、今シーズンは2年ぶりに正真正銘のチャンピオンが決定する。
ただ、現在のWJBLを一言で表すと「JXの一人勝ち」の状態。1月の全日本総合選手権では、JXが圧倒的な強さを見せて4連覇を達成。WJBLでも3連覇中だ。五輪アジア予選代表の大神雄子、吉田亜沙美、渡嘉敷来夢、間宮佑圭をはじめ、高さのある諏訪裕美と木林稚栄、シューターの田中利佳と本田雅衣を擁し、その厚い選手層は他の追随を許さない。
懸念点を上げるとすれば主力のケガだ。終盤に来て司令塔の大神が疲労性の足首痛を訴え、渡嘉敷来夢は右足甲の疲労骨折で手術に踏み切った。大神はプレイオフに合わせるためにリーグ終盤を欠場したが、渡嘉敷は復帰まで半年はかかるとみられ、プレイオフ出場は絶望となった。実際のところ、リーグ戦では相手に合わせてもたついた試合も多くあったのだが、それでも全日本総合選手権のような大舞台には、コンディションやメンタルを万全に持って行く術を知っている。今プレイオフもJXの優勢は変わらないだろう。
もちろんJXの絶対的優位は有望選手を擁していることだけでなく、これまでの伝統を背負ってきた高い意識からきているものである。しかし先ごろ、日本代表のコーチングスタッフが一新され、この顔ぶれを見るかぎりはJXの一人勝ち状態は許されるものではないと感じている。
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