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【F1】アストンマーティン・ホンダの「長いトンネル」はここから 単純にパフォーマンスが足りていない現実 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Mineoki Yoneya

【振動問題が改善できたとしても...】

 その一方で、中国GPで明らかになった懸念が「パフォーマンス面」だ。

 週末を通してトラブルフリーで走ることができたものの、中団グループとの差は縮まらず、中団からこぼれたウイリアムズとさえ0.8秒差。そして後方のキャデラックが0.2秒差まで迫り、ストロールは逆転されてしまった。

「トラブルなく走行できて、やりたかったプログラム自体はすべてこなすことができた。新品ソフトタイヤを3セット使って最適化を進めて、マシンの性能をすべて引き出すこともできたと思う。ただ、単純にパフォーマンスが足りていないだけだ。これがパワーユニットではなく、車体の最大限のポテンシャルだ」(アロンソ)

「マシンバランスに苦しんでいて、アンダーステアとリアのロックアップでマシン挙動が予測できない状態だった。パワーユニットやマシンが抱えている問題の改善を進めていかなければならない。どうすれば改善できるのか、これからデータを分析する必要がある」(ストロール)

 振動問題でセットアップ面の妥協を強いられる部分はわずかにあるものの、それが大きくパフォーマンスを毀損(きそん)しているわけではないとクラックCTOは語る。

「これまでのところ振動は主に信頼性に影響を及ぼしていて、いくつかの点で振動を抑える必要はあるが、ラップタイムを1秒単位でロスするような影響があるわけではない。振動のせいでいくつかセッティング面でコンサバティブにならざるを得ない部分もあったりするが、それがパフォーマンスを大幅に損なうようなことはない。

 もちろん、今後もさらに改善を続けて、パッケージ全体の信頼性をさらに向上させていく必要はある。だが、それと同時にパフォーマンスを向上させていく必要もある」

 振動でリタイアしたのは、そもそもパフォーマンスが足りていないからだ。振動が改善できても、そこが改善できなければ意味がない。だが、その改善には時間がかかる。

 トラブルなく走れるようになったからこそ、徐々に問題の本質が見え始めてきた。アストンマーティン・ホンダの長いトンネルは、まだ始まってもいなかった。

 長いトンネルは、ここからだ。

著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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