【F1】堂本光一が角田裕毅への期待を熱く語る 「こんな感情になったのは久しぶり」 (2ページ目)
【日本人初優勝へ立ちはだかる壁】
もちろん日本人初優勝という偉業達成の前には高いハードルがいくつも立ちはだかっているのはわかっています。中嶋さんの時代は、トップチームとそれ以外のチームの競争力の差が大きかったですが、今のF1は接戦です。トップから中団グループまでのタイム差がとても小さく、予選で1秒以内に10台以上というレースも珍しくありません。それほど競争が激しくなっています。
しかも今シーズンは、マクラーレンのマシンが高い競争力を発揮しています。レッドブルのマシンも速いですが、すごくナーバスで扱いが難しいところがあります。
何よりも大変なのは、チームメイトがフェルスタッペンであることです。現役最強のドライバーである彼とつねに比較され、パフォーマンスの差が大きいと、レッドブルのドライバーとして失格の烙印を押されてしまう......。
たとえば、昨年までフェルスタッペンのチームメイトだったセルジオ・ペレスは、シーズン中盤以降、不振が続き、契約期間が2026年シーズン末まであったにもかかわらず、解雇されてしまいました。開幕から結果を出せなかったリアム・ローソンもわずか2戦で角田選手と入れ替わるかたちでレーシングブルズへ降格されています。
ただ最近は、フェルスタッペンとコンビを組むドライバーに対する見方が変わってきているような気がしています。これまでは、フェルスタッペンは速く走れるのだから、マシンのポテンシャルを引き出せないとチームメイトがダメなんだという評価になっていました。でも、現在はフェルスタッペン自身も「今年のマシンはよくない」という言い方をするようになっています。
実際、フェルスタッペンは日本GPの予選でポールポジションを獲得したあと、「アタック中は、いくつかのコーナーでなんとかマシンがコース上にとどまってくれと祈るような感覚で走っていた」とコメントしていました。時速300kmを超えるような世界で祈りながらマシンをドライブするのは恐ろしいことですが、今年のレッドブルは名手のフェルスタッペンですら操るのが難しいマシンなのだと思います。
それでも角田選手は鈴鹿、バーレーン、サウジアラビアの3連戦を通して、マシンとチームに確実に慣れてきている印象があります。レッドブル2戦目となるバーレーンでは、9位に入賞しています。角田選手にはさらにレッドブルのマシンに適応していって、今後のキャリアにつながる結果を残してほしい。
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