【F1】角田裕毅はレッドブルわずか2戦目で若手エンジニアをリード ホンダ責任者が語る「見えない部分」での努力 (2ページ目)
【ナーバスでも対処できる自信】
その影響でソフトタイヤでのアタックラップは不発となり、FP2は18位、FP3は20位と、「見た目」は非常に不安になる状況だった。しかし、ミディアムやハードタイヤでのアタックは決して悪くなく、むしろ角田は着実に手応えをつかんできていた。
金曜には担当レースエンジニアのリチャード・ウッドとのコミュニケーションミスもあった。しかし、「この後、飲みにでもいきますかね」と冗談を言えるほどだった。
「いや、飲みには行ってないですけど(笑)、予選のコミュニケーションは悪くなかったですね。まだまだ噛み合ってはいないと思いますけど、人としてはすごく気が合うし、逆に今後ものすごくうまく噛み合うための材料は揃っていると思います。そこもゆっくりステップアップしていきたいなと思っています」
トップチームのレッドブルだからと萎縮するでもなく、角田は自分の知識と経験をもとに、比較的若いエンジニアたちをリードするような姿勢でムードメーカーになっている。
ブレーキング時にリアが不安定でターンインしていけない難しいマシンでも、多少のナーバスさなら対処できるという自信がある。だからこそ、自分が進みたい方向を明確に示し、実際にコース上で結果を出すことができる。
レッドブルでの2戦目にして、角田はすでにそういう雰囲気を醸し出している。
ホンダの現場運営責任者であり、レッドブル担当チーフエンジニアでもある折原伸太郎トラックサイドゼネラルマネージャーは、見えない部分での角田の努力をこう語る。
「エンジニアと常に会話していますし、見ていてもかなり打ち解けていると感じます。夜遅くまで残ってエンジニアと積極的にコミュニケーションを取り、いろいろと詰めていっているのをよく見ます。
その効果が、予選のタイヤウォームアップの仕方にも表われていたんだと思います。走るだけでなく、そういう部分も改善していかないとうまくいかないのがF1です。この2日間でも、かなりの改善が感じられました」
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著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
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