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【F1】角田裕毅は予選15位の結果に呆然とした ポールを獲得したフェルスタッペンとの差は何だったのか? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【角田は雨の決勝を期待してギャンブル】

 フェルスタッペンは予選・決勝に向けて、金曜の薄型リアウイングに戻すことを決めた。しかし角田は、ダウンフォースをつけたマシンのままで予選・決勝に臨むことを決めた。

「マックスと同じように軽いほうのリアウイングで行きたいという気持ちもあったんですけど、FP2やFP3で赤旗が多くて走り込めなかったうえに、いろんなセットアップ変更をやっていたので、セッションを通して同じ状態のマシンで走り続けることができていなかった。だから、FP3から予選に向けて同じ状態のマシンで臨みたいということで、そちらを優先したんです」

 セットアップをあれこれ大きく変えなければならないというのは、現状のレッドブルの苦しさを物語っている。クリスチャン・ホーナー代表は言う。

「我々はこのレース週末、クルマをひっくり返すようなさまざまなセットアップ変更をして、そのなかでマシンに合ったものをなんとか見つけ出すしかない。そのくらい、クルマがうまく作動するウインドウが狭く、そこを見つけることに苦労しているんだ」

 テクニカルディレクターのピエール・ヴァシェいわく、フェルスタッペンの採った薄型リアウイングは「ラップタイム重視ではなく、マシンバランス重視の選択」だったという。

 マシンバランスを適正にして、あとはドライバーが限界までプッシュしてタイムを稼ぐというアプローチで、まさにフェルスタッペンが腕でもぎ取ったポールポジションだった。そして、一方の角田に関しては「ウェットレースをにらんだギャンプル的な選択だった」という。

 そうやって、やや後手を踏んだ状態で挑んだ予選で角田は、Q1でフェルスタッペンの0.024秒差につけて上々の走りを見せた。だが、Q1で新品ソフトを2セット使わざるを得ず、Q2のアタックでは1セットしか使うことができなかった。

 そして、その新品タイヤのアタックでタイヤの温めが十分にできないままアタックラップに入っていき、最終コーナーの立ち上がりでホイールスピン。そのオーバーヒートの影響か、ターン2でもリアがスライドして大きくタイムロスし、Q1のタイムを更新することができなかった。

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