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【F1】角田裕毅「勝負の5年目」開幕 オフの筋トレで胸板は厚く、二の腕は太くなり「体重は3〜4kg増えた」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【リーダーとして責任が伴う立場】

 テストの時点では、マシンパフォーマンスはまだハッキリとは見えていない。

 とはいえレースシミュレーションを見れば、中団の最上位を争えるかどうかのところにはいて、レースペースは決して悪くはなさそうだった。

 昨シーズンに続いてタイトな争いになると思われる中団グループのなかで、ひとつ抜け出して入賞圏に食い込むためには、開発を進めてマシンのパフォーマンス自体を上げていくことよりもむしろ、マシンへの理解を深めてポテンシャルを100パーセント引き出しきることのほうが勝負を左右する可能性が高い。これは昨年の上位争いでも見られた傾向だ。

「今年も中団グループは、ものすごくタイトな争いになることは間違いない。そのなかで今年はマシンを開発していくことよりも、どのサーキットでもマシンのパフォーマンスを100パーセントに引き出すことがクリティカル(極めて重要)だと思います。

 そういう意味で、僕自身としては(チームリーダーとしてチームを引っ張る)準備はできています。今まで以上に責任が伴うのも事実だと思います」

 チームメイトは新人のイザック・アジャ(フランス/20歳)。5年目の角田はチームリーダーとしてしっかりとマシンの状況をフィードバックし、セットアップの方向性を示す必要がある。

 それが、角田自身の未来を切り拓くことにもつながる。

 レッドブル昇格がならなかったとはいえ、チャンスは潰えたわけではない。

「とにかくひとつ明確に言われたのは、『パフォーマンスで決めたんじゃない』ということです。そう言われたので、僕もそれ以上は詮索しませんでした。

 でも、『F1の世界では何が起こるかわからない』とも言われています。実際に去年もこの2チームではいろんなことが起きているので、僕は自分のやるべきことをやり続けるしかない。

 ヘルムート(・マルコ/レッドブル・アドバイザー)の性格もよく知っています。そのためにも、僕が冷静さを保ってリーダーシップも発揮すれば、さらにドライバーとして成長することができる。僕自身もその方向に向かって、成長して結果を出していくだけだと思っています」

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