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【F1】熱田護×桜井淳雄の2025年シーズン展望 大注目の「神童」のすごさは「正直、よくわからない(笑)」 (2ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi

【フェラーリのふたりは"乗りにくそう"】

ーー2025年シーズンはハミルトン選手が勝てるのか、チャンピオンになれるのか、が見どころになると思いますが、テストの雰囲気はどうでしたか?

桜井 マシンに関しては、ハミルトンもチームメイトのルクレールもちょっと乗りにくそうな感じでした。ルクレールはスピンしていましたし、ハミルトンもけっこうコースをはみ出していましたので、かなり扱いが難しいマシンなのかなという印象でした。

フェラーリでF1参戦19年目のシーズンを迎えるハミルトン 撮影/桜井淳雄フェラーリでF1参戦19年目のシーズンを迎えるハミルトン 撮影/桜井淳雄この記事に関連する写真を見る

熱田 ピットの雰囲気がよさそうなのは、どこのチームでしたか?

桜井 やっぱりマクラーレンが強そうでしたね。最終日には他のチームは一発のタイムを出しにいっていましたが、マクラーレンはふたりのドライバーが淡々と周回を重ねていました。それが逆に余裕を感じました。

ーープレシーズンテストではウイリアムズが好調。3日間のテストで最速タイムをカルロス・サインツJr.選手でした。

熱田 テストでは、タイムがマシンの実力を示しているわけではないのですが、昨シーズンのウイリアムズはグリッド後方にいたチームです。それがテストでいきなりトップタイムを出すというのはなかなかありえない。ウイリアムズのマシンは相当変わっていました?

桜井 ここ数年のウイリアムズのマシンはかなりシンプルなつくりでしたが、今年はトレンドを取り入れ、細部まできれいに仕上がっていました。タイトルスポンサーも獲得して、金回りがよくなっているように感じます。ピットの雰囲気が明らかに違いましたね。フェラーリからサインツという強力なドライバーが入り、これまでチームを牽引してきたアレックス・アルボンも気合いを入れていかないといけません。サインツは、これまでアルボンが組んできたチームメイトとはキャリアと実績が違います。アルボンにも火がついて、いい走りをするんじゃないですか。

熱田 昨シーズンの中団グループを盛り上げた立役者は、小松礼雄代表が率いるハースだったと思います。2025年からトヨタの資金が本格的に入り、チームは予算的にもラクになっているだろうし、エステバン・オコンとオリバー・ベアマンというドライバーのラインナップも悪くありません。ハースは面白い存在になると思っています。

2024年から小松礼雄氏が新代表に就任し、大躍進を遂げているハース 撮影/熱田護2024年から小松礼雄氏が新代表に就任し、大躍進を遂げているハース 撮影/熱田護この記事に関連する写真を見る

桜井 テストを見るかぎり、マクラーレン、フェラーリ、レッドブル、メルセデスのトップグループの勢力図は昨シーズンの終盤から変化がないかもしれません。でも、中団グループはかなりの接戦で、多少の順位の上下があると思います。ただ、多くのチームがシーズンの早いタイミングで新しいマシンレギュレーションが導入される2026年に向けて開発をシフトしていくと思うので、昨シーズンまでのような大きなアップデートをシーズン中に何度もしてこない可能性があります。開幕戦のオーストラリアGPを皮切りに、中国、日本、バーレーン、サウジアラビアとレースが続きますが、序盤戦で2025年シーズンの勢力図やチャンピオン争いの行方がほぼ見えてくるのではないかと思っています。

熱田 開幕早々に2026年シーズンの開発にシフトしてしまって、大きなアップデートをしてこないチームがあると思います。でも、それを逆にチャンスだととらえて勝負をしてくるチームも出てくるかもしれません。他のチームは開発が止まって停滞しているので、アップデートをうまくやれば、ランキング上位を狙える可能性が十分ある。何が起きるかわからないですよ。

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