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【F1】角田裕毅の2025年は極めて重要なシーズン レッドブル昇格も「まだ希望は捨てていない」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【RB代表も角田の昇格に太鼓判】

 チームとしても、昨年はチームCEOとチーム代表、現場オペレーション技術首脳陣の顔ぶれが変わり、組織の強化を進めてきた。

 さらに、マクラーレンやFIAにいたティム・ゴスがチーフテクニカルオフィサーとして加わった。15年近くいたイギリス・ビスターの空力開発拠点は手狭になったため、レッドブルのファクトリー敷地内へと移転して今後はレッドブルの新型風洞を利用するなど、これまで以上の提携強化を進めている。

 イギリスの拠点が単なる空力部門ではなく規模を拡大することで、イギリスに多くいる優秀な人材を確保しやすくなるというメリットも大きいと、ローラン・メキース代表は語る。

「ビスターからミルトンキーンズへ移転した理由は開発拠点を近代化することで、レッドブルの新型風洞を利用して、その恩恵を受けることになる。それが最大のメリットだ。

 2024年を通してずっと、我々は2週間に1回レースを戦いながら、強固な基盤を築くために正しい人材を獲得し、チーム組織を変えていくこと、チーム運営のプロセスを変えていくことを意識してきた。

 F1という世界では、何かすべてを急激に変えてすぐに結果が出るとは思っていないが、適切な人材がチームに揃ったかどうかという点に関しては、100パーセントの自信を持っている。新しい施設の効果が表われるのはもう少しあとになると思うし、2025年型マシンへの効果という点では、これまでのプロセス変更や人材補強の効果が反映されるだろう」

 昨年1年間をともに戦ってきたメキース代表は角田のよき理解者であり、角田がレッドブルに昇格するに足る実力を持ったドライバーであると太鼓判を押す。

 2025年シーズンを戦ううえでも、角田をレッドブルへと押し上げるべく全力を尽くすと明言する。

「今回昇格できなかったからといって、今後永久に昇格できないということではない。これはレッドブルに限らずどのチームに関しても言えることで、ドライバーが好パフォーマンスを発揮し始めると、周囲の目の色が変わる。

 2025年の我々は、次のステップに進んでさらなるパフォーマンスを披露するつもりだ。だから我々が彼に対してするべきことは、まず速いクルマを与え、そして昨年見せた以上のインパクトを残せばまだチャンスはある、ということを忘れないようにさせることだ」

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