角田裕毅とは異なるルートでF1へ 宮田莉朋のF2初年度は勝てなかったけど「モリゾウさんに感謝」 (3ページ目)
【裕毅とはキャリアの積み方が異なる】
── FIA F2とスーパーフォーミュラは「F1」というトップフォーミュラの次に位置するカテゴリーながら、中身はかなり違うと。
「細かいところをひとつひとつ見ると、このふたつのカテゴリーはだいぶ違うんです。だから逆に、F2からSFに行くのも大きなギャップがあると思います。
過去にはリアム・ローソン(現レッドブル)やピエール・ガスリー(現アルピーヌ)など、SFに来て成功しているドライバーもいます。彼らからすれば『パワステがあるんだ!』という状況なので、マインドとしては全然違うのかなと思います」
── FIA F2とスーパーフォーミュラの違いは、外部が思っている以上に大きいのですね。
「2024年はELMSで優勝できましたけど、F2では期待に応えらず、歯痒い日々を過ごしました。でも、ありがたいことに一緒に仕事しているみんなは僕のことを信じてくれていて、『ダブルチャンピオンを獲ったドライバーが成功しないわけがない。莉朋が秘めているものは絶対にある』と。僕はそれに助けられているし、またがんばろうという思いにさせてくれています」
── シーズン中には、FIA F2参戦初年度で3勝を挙げた角田裕毅(現レーシングブルズ)と比較する声もありました。どう感じていますか?
「まず、裕毅と僕とは、キャリアの積み方が異なります。彼は日本にいる時からヨーロッパへテストに行っていましたし、F2に上がる前年(2019年)にはFIA F3とユーロフォーミュラ・オープン(EFO)に出ていました。
しかも、日程的にEFOのほうが先に開催されて、事前にF3で走るサーキットを経験できるので、彼はコースを知った状態で臨めていました。その点では彼も準備しやすかったと思います。
一方、僕の2024年シーズンは逆のパターンで、初経験のコースはほとんどFIA F2が先に開催されてコースを経験できたので、ELMSのほうが準備万端という状態でした。ほかのカテゴリーでの経験がF2に活きた機会は、テストで走ったバルセロナしかなかった。
でも、これに関しては誰が悪いとかではなくて、自分が歩んできたキャリアと彼が歩んできたキャリアが違うというのが大きい。そういったところをひとつひとつ知ってもらいながら、応援してもらえるとうれしいです」
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