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角田裕毅とは異なるルートでF1へ 宮田莉朋のF2初年度は勝てなかったけど「モリゾウさんに感謝」 (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro

【F2はSFと違ってパワステがない】

── 初めてFIA F2にフル参戦して、難しいと感じた点はどこですか?

「やはりタイヤとコースですね。F2はタイヤが5セットあるうち、3セットがプライム(硬め)で2セットがオプション(柔らかめ)。フリー走行で2セット以上を使うこともできますが、そうするとレースで不利になっていくので、練習で使えるのは結局プライムの1セットのみ。オプションは予選まで使いません。

 デグラデーションも大きいので、1セットだけで周回数を重ねて(後半に)タイムを上げられるかというと、そうでもないので難しいですね。『フォーミュラ+ピレリタイヤ』という環境でずっと走っていた周りのF2ドライバーと比べると、経験値が圧倒的に違うなと感じました」

── 初めて走行したコースも多かったですよね。

「コースを知っていれば、対応できるところもありました。バーレーンとバルセロナは事前にテストをしたうえでレースに臨むことができたのでよかったです。レースウィークのフリー走行は45分しかないですし、使えるタイヤが1セットだけ。マシンのセッティングも大きく変更できるわけではないので、事前段階での準備がものすごく重要になりました。

 あとは、コミュニケーションの壁もあります。英語を勉強していたから会話はできますけど、それでも苦しいところがありました。やっぱり(同じ英語でも)国それぞれでしゃべり方は違いますし、イギリス人はイギリス英語で訛りも違いますので」

── 宮田選手は2023年にダブルチャンピオンとなった実績がある分、2024年のFIA F2の結果に対してさまざまな意見が聞こえてきたかと思います。

「僕が気にしすぎなのかもしれませんけど......ダブルチャンピオンを獲って海外に行ったので、日本のみなさんからすれば『もっとがんばれよ!』という気持ちになるかもしれません。

 海外レースに参戦していろんな苦労をしていますけど、そのなかには経験していないことがあまりにも多すぎるなと......。タイヤやコースのこともそうですが、車両に関しても車体の重量やタイヤのサイズなどが異なります。F2はSFと違ってパワステがありませんし」

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