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角田裕毅とは異なるルートでF1へ 宮田莉朋のF2初年度は勝てなかったけど「モリゾウさんに感謝」

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro

宮田莉朋インタビュー

 2023年にスーパーフォーミュラ(SF)とスーパーGTでダブルチャンピオンに輝いた宮田莉朋(りとも)。2024年は日本を飛び出し、F1直下のカテゴリーであるFIA F2に初参戦した。日本のトップカテゴリーで頂点に立ったドライバーがFIA F2に挑戦するというニュースは、モータースポーツ界で大きな注目を集めた。

 ロダン・モータースポーツからFIA F2参戦した2024シーズンは8度の入賞を飾り、最高位は第3戦メルボルンのスプリントレース(120km/45分)、フィーチャーレース(170km/60分)で獲得した5位。期待が大きかった分、その反動からか厳しい声もあった。

 初めての海外挑戦で宮田自身はどんな困難に立ち向かい、何を考えながらシーズンを過ごしたのか。25歳の若きドライバーの声に耳を傾けた。

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宮田莉朋に初参戦のFIA F2で結果を残せなかった理由を聞いた photo by Endo Tatsuya宮田莉朋に初参戦のFIA F2で結果を残せなかった理由を聞いた photo by Endo Tatsuyaこの記事に関連する写真を見る── まずは2024年、初めてFIA F2に挑戦した感想は?

「初の海外レース挑戦は面白い部分もありましたが、『日本での経験が活きるのか?』と聞かれると......正直、F2では活きないな、という感じがします。まったくの別モノです」

── 具体的に違いを感じる部分はどこですか?

「まずは日本と比べて、走行時間が圧倒的に少ないという点。タイヤのセット数も限られていて、そのコンパウンドも複数あります(※スーパーフォーミュラのタイヤは年間1種類だが、F2は1大会で2種類を使い分ける必要があり、年間で合計4種類が登場する)。

 また、サーキットによっても異なりますが、レースではタイヤのデグラデーション(性能劣化)がSFと比べて大きいです。それに対して、どこまで攻めるか、いつ守るかというところの見極めが難しい。僕にとっては初めてのピレリタイヤだから、そこも定まっていなくて難しいです」

── 逆に海外でのレースで日本と似ていた部分はありましたか?

「並行して参戦していたELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)のほうが似ていました。フリー走行が多く、タイヤの特徴も日本で履いていたものと近くて、『いかにタイヤのデグラデーションを起こさないなかで速く走るか?』という点が似ていました。ひとつずつ組み立てをしながらレースに臨めるので、ELMSではこれまでの経験が活きました」

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著者プロフィール

  • 吉田知弘

    吉田知弘 (よした・ともひろ)

    モータースポーツジャーナリスト。1984年12月19日生まれ、石川県出身。2011年よりスーパーGT、スーパーフォーミュラなど国内4輪レースを中心に取材。専門誌やweb媒体などで執筆中。日本モータースポーツ記者会所属。

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