角田裕毅「僕らはもう中団トップのマシンとは言えない」 ストレートが抜群に速いハースに対抗できる術は? (2ページ目)
【RBが得意な低速域のコーナーもあるが...】
バルセロナやモナコのように、とにかく中速コーナーでダウンフォースがたくさんあれば速く走れるというサーキットではなく、ダウンフォースがあっても空力抵抗が大きければ遅い。逆に、いくら空気抵抗が小さくストレートが速くても、十分なダウンフォース量がなければ高速コーナーで大きくロスしてしまう。そしてタイヤも傷めてしまう。
端的に言えば、最大ダウンフォース量よりも、空力効率の高さが重要になるサーキットだ。
中団グループのなかで言えば、その筆頭はハースだ。ダウンフォース量は決して多いわけではないが、空気抵抗が小さく、ストレートが抜群に速い。
もともとは決して狙って作り上げたものではなく、ダウンフォースが十分に確保できない結果として空気抵抗も小さいマシンになったという。だが、着実にアップグレードを重ねることでダウンフォース量も改善し、バルセロナではそれまで課題としていた高速コーナーも大きく改良してきた。
そして今回のイギリスGPにも、さらなるアップグレードを投入してくる。
RBとしても、コンストラクターズランキング6位を争うハースの動向には目を光らせ、意識している。前戦のオーストリアではダブル入賞、しかも6位・8位という大量得点を許してしまった。
「ハースも今週末はアップグレードを持ち込むと聞いているので、彼らにも目を向けておかなければいけません。彼らは空力効率がすごくいいマシンなので、高速サーキットでは速いです。今週末も速いだろうと予想しています。
僕らの強みは低速域で、彼らとはむしろ真逆の方向。なので、ラクな戦いにはならないと思います。ものすごくタイトな争いのなかで、僕らはもう中団トップのマシンとは言えないので、開発に集中していく必要があると思っています」
RBは、高速コーナーをそれほど得意としているわけではない。シルバーストンは得意な低速域のコーナーも3つほどあるが、苦手とみられる長く回り込む高速コーナーも多い。
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