Juju、スーパーフォーミュラ史上最年少18歳の挑戦「経験値が圧倒的に低いのはわかっている。成長する姿を見せていけたら」 (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro

【今までやってきたことは無駄じゃなかった】

── ヨーロッパでは苦しい思いをしながらも、ユーロフォーミュラオープンで優勝を果たしたほか、ジノックスF2000でシリーズチャンピオンを獲得しました。その時の心境はいかがでしたか?

「まず、ユーロフォーミュラオープンで優勝できるとは、シーズンが始まる前はまったく想定していませんでした。『表彰台に立つことができたら大成功だよね』と家族みんなで話していたくらいだったので。

 ライバルは『モトパーク』という、このシリーズでは何年も経験がある巨大なチーム。それに対して自分たちは参戦1年目の新人チームで、5人だけの『ファミリーチーム』です。

 第1戦はもう、結果もボロボロ。『このまま戦っても勝負にならない』『やっている意味もないんじゃないか』というところから始まりました。ですが、チームも自分もできることを精一杯やって、いろんな人のサポートを受けながら戦いました。

 すると、第2戦は1戦目より少しよくなって希望が見えてきて、第3戦では表彰台に上がれて優勝争いもできた。参戦当初だったら考えられなかった結果が出るようになったんです」

この記事に関連する写真を見る── ものすごいスピードで進化・成長していったのですね。

「自分ひとりで成し遂げたことじゃないんですけど、すごく自信になりました。そして第4戦では、ついに優勝することもできたんです。ヨーロッパに行ってから苦しいことも多々ありましたけど、あきらめずにがんばってきたことが結果につながったと思います。『今までやってきたことは無駄じゃなかったんだ』って思えた1年でした。

 その後、ジノックスF2000では年間チャンピオンを獲ることもできました。チームみんなでがんばってきたことがやっと結果に結びついて、それが今季のスーパーフォーミュラ参戦にもつながったのだと思います」

── 世界中に数多くあるレースのなかで、スーパーフォーミュラの舞台を選んだ理由は?

「スーパーフォーミュラと言ったら、今まではF1と同じようにテレビ画面越しに見るカテゴリーのひとつでした。クルマもF1の次に速いと言われているレベルです。集まるドライバーも国内トップの方ばかりですし、海外からもF1を目指すドライバーが集まってきています。

 参戦の話を最初にいただいた時の心境は、『どうなるかは、やってみないとわからない。でも、乗れるんだったら乗りたい!』という想いでした。このようなレベルの高いカテゴリーに参戦できることは、自分にとってすごくいい経験になりますし、大きなチャレンジだと思っています」

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