レースクイーン女王・松田蘭のプレッシャー「情緒が不安定で、突然ぽろぽろ泣き出してしまったり...」 (3ページ目)

  • 石塚 隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi

photo by Yazawa Takanoriphoto by Yazawa Takanoriこの記事に関連する写真を見る── インタビュー前編で「自分がグランプリを目指すのはまだ早い」と言っていましたが、そういった事情で頂点を目指す戦いは始まった。

「めちゃくちゃプレッシャーでした。開催期間中は、表面では笑顔を振りまいていましたけど、情緒が不安定で、突然ぽろぽろ泣き出してしまったり、精神的にきつかったです。でも、それぐらいの重圧があり、それを乗り越えたからこそだと思います」

── そんな自分を支えていたのは、チームやモータースポーツへの愛だった。

「それもありますし、あとはファンの存在ですよね。イベントでファンの方々にお会いして『応援しているよ』とか『投票したよ』って言葉をいただいたり、あと直接コミュニケーションの取れない方は毎日配信をして交流を持ったり......ファンの方々の後押しに本当に救われました。

 だからグランプリ獲得は、いろんな出来事や多くの人の思いが混ざり合ったことで実現したと思っています。自分ひとりの力じゃ絶対に無理でしたし、多くの人の愛に導かれた結果です」

── なるほど。だから冒頭で「燃え尽き症候群になった」と言っていたんですね。

「はい。本当にうれしかったし、同時に苦しくもありました」

── あらためてレースクイーンという仕事のどこにやりがいを感じていますか?

「チームのPRやサポートも好きなんですけど、やっぱり自分が小学生の時にレースクイーンに憧れたので、キッズウォークとかでグッズを渡すなど、子どもたちと接するのは好きですね。一緒に写真を撮る時は、セナちゃんのことを思い出して泣きそうになる瞬間があるんです」

── セナちゃんとの幼い日の時間が、レースクイーンへと導いてくれたんですものね。

「はい。あとはチームやモータースポーツに興味を持ってもらえた時ですね。たとえば、私という存在を知ってもらって、『こんな人がレースクイーンをやっているんだ』ってきっかけになったり、『蘭ちゃんZENTを応援しているから、僕も応援するよ』と言ってもらえたり、架け橋的な状況を作れた時はすごくやりがいを感じられるんです」

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