検索

「きっかけはプリキュア、セーラームーン」名古屋の少女が「レースクイーン女王」に変身するまで (3ページ目)

  • 石塚 隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi

photo by Yazawa Takanoriphoto by Yazawa Takanoriこの記事に関連する写真を見る── そうだったんですね。

「ただ、私の母は、レースクイーンの仕事には反対していました。今になってようやく理解してくれましたけど、最初は大変でしたね(苦笑)」

【コスチュームを着た瞬間、変身した気持ちに】

── では、初めてレースクイーンのコスチュームに袖を通した時の感想は。

「かわいいなって思いましたけど、同時にスイッチが入るっていうんですかね。着た瞬間に、本当に変身した気持ちになったんです。サーキットって寒い時があるんですけど、でもアドレナリンが出ているのか、ぜんぜん寒くないんですよ。私にとっては今も変わらず、キラキラしているものですね」

── それまでの人生で、ここまでテンションの上がることはなかった。

「そうですね。強いて言えば学生時代にバンドをやっていたので、ライブハウスでスポットライトを浴びて演奏している時とは、ちょっと感覚的に似ているかもしれません」

── 楽器とジャンルは何だったんですか?

「ギターを弾いていました。好きなアーティストは、Hi-STANDARDやミッシェル・ガン・エレファント、ブランキー・ジェット・シティなどが好きです」

── 年齢のわりにはシブいですね。

「ただ、やっていたバンドはSCANDALみたいな雰囲気でした」

── 2020年に上京したと聞いていますが、やっぱり東京で勝負したかった。

「大学を卒業してから、しばらくは地元にいたんです。ただちょうど、新型コロナでイベントの仕事もあまりなくて......。私としてはやっぱり東京に出て、レースクイーンでがんばりたいって思いが強くて、もう自立するためにも実家を出ようって」

── 腹をくくったわけですね。

「最初は怖かったです。成功するのかどうかもわかりませんでしたからね。上京して今の事務所(イー・スマイル)に入ったんですけど、当初は今ほどの熱量は正直なかったんです。新人でしたし、毎日がワクワクというか、ただ『楽しいな〜』みたいな感じで。自分がまさか数年後、レースクイーン大賞のグランプリに向かって必死になるなんて夢にも思ってなかったんです」

3 / 4

キーワード

このページのトップに戻る