2023年の角田裕毅を元ホンダF1トップはどう見たか? 2024年の勢力図を予想

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

ホンダF1・元マネージングディレクター
山本雅史インタビュー(後編)

◆山本雅史・前編>>フェルスタッペンは「バケモノ」...「大物」と「努力賞」は?

 ホンダF1のマネージングディレクターとして第一線で活躍し、数々の修羅場を経験してきた山本雅史氏。F1ドライバーとなって3年目を迎えた角田祐樹の走りを、どのような心境で見守っていたのか。

 そして、角田に続く日本人F1ドライバーは誰か。ホンダから離れてF1の世界を俯瞰して見ている山本氏に「日本人とF1の未来」について語ってもらった。

   ※   ※   ※   ※   ※

角田裕毅もF1ドライバーとなって3年 photo by Sakurai Atsuo角田裕毅もF1ドライバーとなって3年 photo by Sakurai Atsuoこの記事に関連する写真を見る── アルファタウリの角田裕毅は、入賞6回、合計17点を獲得してランキング14位となりました。

「3年目の角田くんはよくがんばったと思います。特に最終戦アブダビGPはチームの戦略どおりに力を出しきったし、ミスもなかった。チームプレーをやりきったレースだったと思います。

 レース後にフランツ(・トスト/アルファタウリ代表)とメールでやりとりをしたんですけど、『2ストップ作戦なら、6位は無理だったかもしれないけど、7位は絶対に取れていた』と言っていて、メディアに向けても話していましたけど、ずっとストラテジスト(戦略家)を尊重してきたけど、最後に爆発していましたよね(苦笑)。

 ランキング7位を狙うという意味では、1ストップ作戦は間違っていなかったと思う。角田くん本人も『やりきった』と言って、すごく充実した顔をしていましたからね」

── どのようなところにドライバーとしての成長を感じましたか?

「もともとF2の時から一発は速いし、集中力もあるドライバーだから、そこは心配していなかった。だけど、シーズン序盤のマシンが全然走らない状況でも入賞圏まで持っていって、忍耐強く戦っていた姿には成長がうかがえました。

 F1マシンを手足のように操れるようになってきたというか、乗せられている感がなくなって、乗りこなしているという感じ。ドライバーとマシンがひとつになりつつあるなと感じました」

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る