角田裕毅の絶望的な週末 限界を超えて攻め続け大苦戦も「後悔はない」 (2ページ目)
角田裕毅は完走19台中19位に終わったこの記事に関連する写真を見る
【それでも角田は怯まなかった】
16番グリッドから入賞圏を目指すには、アグレッシブな走りで1周目にポジションアップを図るしかない。隊列が整ってしまえば、オーバーテイクは容易ではないからだ。
しかし、ターン1でバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)のインに空いたスペースに飛び込んだ角田のレイトブレーキは攻めすぎだった。
前方の車両たちが減速して詰まったターン1で行き場をなくし、イン側の縁石上に逃げたがマシンが跳ねてエステバン・オコン(アルピーヌ)のリアに接触。フロントウイングを壊した。自身のみならずオコンのマシン、そして飛散したデブリ(パーツ破片)でボッタスのマシンにもダメージを与えることになってしまった。
それでも角田は怯まず、ターン3で再びレイトブレーキングで大外からポジションを上げていった攻めの姿勢はすばらしかった。しかし、フロントウイングの左側翼端板とフラップを丸ごと失ったマシンでは、バックストレートエンドのターン4でレイトブレーキングを仕掛けたところで止まりきれず、グラベル(砂利道などの非舗装路面)へと逃げるしかなかった。
「アグレッシブに攻めたことには後悔はありませんし、今後も同じような状況であれば同じようにやると思いますけど、もちろんダメージを負わないようにはします」
攻めどころを見極めたアグレッシブなスタンスはよかったが、角田のドライビングはあまりに限界を超えてしまっていた。
レース序盤のVSC(バーチャルセーフティカー)で各車がピットインするなか、角田はステイアウトして8位まで浮上した、しかし、すぐにフレッシュなタイヤのライバルたちに抜き去られ、結果的にスロー走行のVSC中にピットインする8秒のタイムゲインを失っただけになってしまった。
そこから残り48周を最後まで走りきることも視野に入れてトライしたものの、チームの判断でこれを変更。しかしその判断も遅れを取って、ボッタスにアンダーカットを許してしまった。
2 / 3